母の死から僕を救ってくれたのは…
2週間にわたる医学部卒業試験の1日目が終わり、2日目に向けてカフェで勉強していたとき、一本の電話が入った。
「母」と表示されたケータイの画面。
でも、電話に出たのは父だった。
「母がくも膜下出血で倒れて、厳しい状況だ」とのことだった。信じたくなかった。でも事実だった。心臓がいつもより早く鼓動する音が聞こえるほど妙に冷静だったのが、逆に怖い。
大学に手続きを確認した後、僕は運ばれた病院のある姫路に向けて新幹線に乗った。新幹線の中で、現実から目を背けるように関係ないニュー