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死別経験後、周りから言われた言葉で心が苦しくなってしまった時の対処法①

死別専門相談室「ライブアゲイン」グリーフカウンセラー・看護師
山田千明です。

死別経験後、周囲の方から言われた言葉で心が苦しくなってしまった経験がある方は多いのではないでしょうか?

カウンセリングを行っていると周囲のこのような言葉で傷ついた経験がある方が多くいらっしゃいます。

  • 亡くなった○○さんの分まで頑張って生きないと

  • こどもが一番かわいそうなんだから、パパ/ママは頑張らないと

  • こどものためにも、パパ/ママは笑顔で元気でいないと

  • 頑張って笑顔で過ごしているのに「なんか平気そうだね?」

  • 「一緒にいてくれるパートナーが早く現れてくれたら安心だわ」と言っていたのに、パートナーガできたことを報告すると「え!早いね」「常識的に考えてもうちょっと経ってからじゃないと亡くなった〇〇さんがかわいそう」

  • ママ友から「うちの旦那も出張ばっかりでいないようなものよ」

  • 同僚から「いいなー、また恋愛できるの」

  • 故人の親族から「お前が殺したようなものだ」「なんで気づけなかったの?」

今回は、死別後、周囲から言われる言葉で心が苦しくなってしまった時の対処法①をお話しします。

相手は励ましているつもり・・・だからさらに辛い

  • 亡くなった○○さんの分まで頑張って生きないと

  • こどもが一番かわいそうなんだから、パパ/ママは頑張らないと

  • こどものためにも、パパ/ママは笑顔でいないと

相手も悪気があって言ってるわけではなく、むしろ元気づけよう・鼓舞しようと言ってくれていると感じても、自分の体調や状況によってはこれらの言葉で傷ついてしまう時がありますよね。

「自分の受け取り方に問題があるのだろうか」
「なんで励まそうとしてくれてるのにありがとうって思えないんだろう」

自分を責めてしまいさらに心が苦しくなっている方が多くいらっしゃいます。

これらの言葉で苦しくなったり、イラっとしたり、悲しくなったりする時は、ご自身の心のケアを最優先に取り組む必要があります。

なぜかというと、これらの言葉でイラっとしたり苦しくなったりする時は、「子供のことを守らなきゃって一番思ってる!だけど、私もまだ辛いよ!!!」と心が辛いと叫んでいる状況だからです。

また、子どもに対して罪悪感を感じている時にもこの言葉で苦しくなってしまいます。「子供のために頑張りたいけど、まだ自分も辛くてこどものことを最大限に考えられていない」と自分で感じているため苦しくなるのです。

ご自身の心の苦しさを軽くしないと、他の方のことを考えることは難しいです。

自分の気持ちに余裕がない時って視野が狭くなりませんか?支えたいと心から思っているのに視野の狭い状態でこどもと向き合っても本来見えるはずのもの(子供のささいな様子の変化など)が見えなくなってしまうのです。

自分の心も辛い+こどもときちんと向き合えない状態が続くと、自分の心の辛さも子供に対しての罪悪感もさらに増してしまい、辛い状態が続いてしまいます。

対処法としては、「同じ経験(これらの言葉で苦しくなってしまった経験)をした方と話して辛さを吐き出す」ことをおすすめします。

私も主人をなくした時に息子の療育先の先生「こどものためにママは元気で笑顔で頑張らないと!!」と言われ、苦しくなってしまった経験があります。

その時に【グリーフケア】を受けました。同じ若年死別経験者でお子さんがいらっしゃるカウンセラーさんでした。

そのカウンセラーさんから「『ママも辛いよね。そんな中頑張ってるよね』って言ってほしかったよね」と言われた瞬間、子どものようにわんわん泣いてしまった自分がいました。

自分の辛いという気持ちを吐き出し、泣けたことで心が軽くなったのを覚えています。

【自分の辛さを分かってくれる人がいる・分かろうとしてくれる人がいる】そう思えた時、人は心が回復していきます。

同じ経験をしている人に気持ちを吐き出すのが心の回復への近道

まずは自分の心と向き合い、心の中の辛さ・モヤモヤ・ドロドロした感情を吐き出すところから心の回復は始まります。

辛さを吐き出した後、一緒に「これからどうしていくか?どうしていきたいか」を考えていけばいいのです。

今回は、死別後、周囲から言われる言葉で心が苦しくなってしまった時の対処法①についてお話ししました。

次回は、死別後周囲から言われた言葉で心が苦しくなった時の対処法②【「一緒にいてくれるパートナーが早く現れてくれたら安心だわ」と言っていたのに、パートナーができたことを報告すると「え!早いね」「常識的に考えてもうちょっと経ってからじゃないと亡くなった〇〇さんがかわいそう」と言われる】についてお話しします。



 







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