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国際OR学会「2024 informs ANNUAL Meeting」参加レポート


2024年10月20日〜23日、シアトル(アメリカ合衆国)にて開催されたInforms ANNUAL Meetingに、グリッドの代表取締役社長 曽我部 完、取締役執行役員 照井 一由、CTO /執行役員 梅田龍介の3名が参加しました。セッションの雰囲気や参加した所感など、インタビュー形式でのレポートをお届けします。

Informs ANNUAL Meetingとは

Operations ResearchやAnalyticsに関する国際的な学術団体「informs」の年次総会。
参加者はinformsの会員、最適化に関連する学界や産業界の専門家、最適化実務に携わる関係者、学生などで、業界のリーダーや専門家の講演を聞き、人脈を作り、最新のトレンドや革新的技術を把握する機会として、毎年数千人が参加するイベントです。
 
以下、照井と梅田へのinforms ANNUAL Meeting参加インタビューです。

―今回informs ANNUAL Meetingに参加した目的は?

梅田:一番の目的は技術トレンドの把握です。informs ANNUAL Meetingでは幅広い分野の発表がありますが、どういう発表がどれくらいあるのか確認したかった。それと、人脈形成ですね。日本人の方とも、こうした国際的なイベントの場で会った方が仲良くなりやすいので。
 
照井:一つ目の目的は技術の定点観測です。梅田さんが昨年も参加しているので、今年も参加すれば変化を掴めます。Informsに限らず、今後グリッドで技術トレンドや応用領域がどう変化していくか定点観測の文化を作っても良いと思っています。
二つ目の目的は、経営陣目線での視察です。昨年参加した梅田さんが国内では感じ取れない、世界的な流れを体感することができ、とても有意義だったと言っていたので、その感覚を肌で感じるため、今回曽我部社長と私も参加してみました。

―参加したセッションの内容は?

照井:Amazonに興味があったのでAmazonを中心に、近いテーマを持つ物流系のセッションも色々聞きに行きました。
 
梅田:ドメイン系のセッションには、電力中心に、公衆衛生、病院、ヘルスケア、航空、アマゾン・ウォルマートなどの物流系も含めて、幅広く参加しました。
ドメイン系以外では、コンサルとして数理最適化を提供している会社のプロジェクトの進め方や、サービスプロバイダの技術紹介などのセッションを見ました。

―全体としての感想や成果は?

照井:物流業界における、圧倒的な日米の差を感じました。考え方と技術の投入の仕方が日本とは違い、強い衝撃を受けました。
我々も今お客様と日本の物流業界の最適化について議論していますが、お客様の中に数学理論がわかる人がいるかいないか、という点で日米はまったく違います。アメリカ企業の人々は物流を数理的にとらえており、日々の会話も数式をベースにしています。
アプローチや考え方がまったく違うことに驚きを覚えました。日本が遅れていることを強調したいわけではありませんが、日本とのギャップを実感したことは、大きな収穫でした。
 
梅田:一つ目の目的である技術トレンドの把握については、今回は「不確実性」というテーマがありました。最適化における不確実性とは「予測できない未来に対してどう動いていくか」を考えるもので、短期的には天気、長期的には戦争などに対して、どういうシナリオで意思決定を行っていくかを考えるものが多くなった印象でした。
二つ目の目的である人脈形成に関しても、満足する成果が得られました。現地で大阪大学の梅谷先生から他の研究者を紹介してもらったり、日本人の講演会で名刺交換をしたりしました。

―今回の出張の成果を、今後グリッドでどう展開する?

梅田:不確実性については、グリッドのR&Dグループと不確実性の研究テーマを各タイプに分類し、それぞれのタイプに必要な解き方をまとめています。具体的にはその不確実性が起因する由来や意思決定のタイミング、使用するアルゴリズムの種類などを整理しています。
さらにその先では、整理した中から深掘りする点、グリッドが会社としてこれから強みにしていく分野について議論していきたいと思っています。
人脈については、応用寄りの研究をしている幾つかの研究室を訪問しました。共同研究や新卒採用につながることを期待しています。
 
照井:日本では、物流業界にデータ的要素・数学的要素がないのが当たり前なので、数学をうまく活用できていない分野や業種がたくさんありそうなことに今回気づきました。この視点を切り口にすれば、ビジネスチャンスがたくさんありそうです。
たとえば自動車会社様の案件では、先方の担当者は機械、制御、電気などを専門とする方々で、数学の専門家ではないのが普通です。みなさん、もちろん数学もわかる優秀な方々ですが、「数学よりも、自分の専門である機械や電気からのアプローチで問題を解こうとする心理が働いているのではないか」という仮説を持つようになりました。
シンプルに数学のフレームワークに当てはめてあらゆる物事を見てみるのは、とても面白そうです。今まで見えていなかった課題や、その解決方法も見つかっていくかもしれません。

―今後、グリッドはInformsをどう活用していく?

梅田: informsの定点観測は、エンジニアリング部として続けていきたいと思っています。
グリッドでは年に一回社員を表彰するアワードがありますが、その副賞の一つとして、informsへの出張の権利を考えています。メンバーのモチベーションを上げ、視野を広げるきっかけにも出来ればと。
また、聴講側だけでなく、いずれは発表の場としても活用していきたいですね。
 
照井:外の情報を仕入れてくることの重要性はとても高い。その機会の一つが海外視察であり、informsです。
日本国内で取れる情報もたくさんありますが、重要情報を自ら取りに行くカルチャーをグリッドに作っていきたいと思い、今回は先頭を切って実行しました。社員の皆さんも情報を取りに行く姿勢を大切にし、これからどんどん行動して欲しいです。

結び

以上、informs ANNUAL Meetingへの参加レポートでした。
グリッドは、今後もinformsのみならず、社員が世界の最高峰の知識や技術に触れる機会を提供してまいります。

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