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逃走中 THE MOVIE 感想※ネタバレあり




過去最低の映画

 見終わって最初に出てきた感想は「過去最低」。散々SNSで叩かれていたこの映画は見る前は期待はしていなかったもののあそこまで叩かれるほど酷くないものだと思っていた。それには逃走中の前に「劇場版すとぷり はじまりの物語〜」を観たからというのもある。映画すとぷりに関して言えば、物語として成立はしているもののツッコミどころが多いという感想だった。ただ、アレは元々ファン向けに作られていたという説明も出来てしまうため、ツッコむことが場違いであるという雰囲気を感じた。しかし、逃走中はそうはいかない。さすがに酷すぎる。ツッコミどころというか、それが多すぎて物語として破綻してしまっている。Twitterなりなんなりで伝えることは出来るが、あまりにも酷い出来だったため今回はnoteに長めにまとめることとさせていただく。

「逃走中」である必要性

 一番問いたい部分である。本作品はタイトル通り、フジテレビで放送されている「逃走中」がメインテーマとなっている。何故わざわざこんな説明が必要かといえば、物語の終盤には逃走中の要素はほとんど無くなるからだ。
 映画の序盤は確かに「逃走中」そのままのルールで始まる。そこまでは多少、「ん?」となるシーン(明らかに逃げきれない距離など)があるがまだ見逃せるレベルだった。だが、ワイルドハンターが出てきた途端に物語は一気に崩壊する。ワイルドハンターというのは映画オリジナルのハンターであり、そのハンターに捕まると消滅(死亡)するという設定である。こいつらが出てきてから全ておかしくなった。逃走中がただのデスゲームになったのだ。逃走中お馴染みのナレーションもこいつらが出てきてから一切話さなくなり、逃走中らしさは全く無くなる。後半は逃走中でもなんでもないただのデスゲームを見せられてる感覚だった。本当に酷い。

ワイルドハンターさん
口が裂けてるけど捕食とかそういうのは一切無いです

超ざっくり内容

 そもそも、逃走中のルールというのはハンターと鬼ごっこをし、最後まで逃げ切れば大金を手に入るというルールだ。しかし、この映画の終盤での主人公達の勝利条件は「100億円もらえるボタンを押すか、全部リセットするボタンを押す」というものになっている。しかも、100億円貰えるといっても1人が100億円独り占めという訳ではなく、ボタンを押した時点で生き残った人間で100億円を山分けするという内容だ。「じゃあ別に蹴落とす必要ないじゃん!」みんなそう思うだろう。このルールが発表された時点で残り人数は50人。この段階でみんなで協力すれば一人2億円貰える。しかし、こいつらは全員潰し合った。いや、潰し合ったのかすら分からない。終盤では焦点は全て主人公たちに当てられ、モブは何をしているか一切分からなくなる。せっかく芸能人いっぱい使ってるのに…。一方、リセットボタンというのは押した時点で消滅した人間たちも全て復活して過去に戻るという設定(東京リベンジャーズのパクリ)だ。まあネタバレしてしまうと主人公たちはこっちを押すことになる。このスイッチを押して何故か主人公たちが抱えていた悩みや問題が全て解決した状態でエンドロールに突入する。特に謎だったのは金関係の問題も全て解決されたことだ。主人公チームの1人に町工場の工場長をやっているが融資(確か100万程)が降りず、その金のためにゲームに参加したという結構真っ当な理由で逃走中に参加した人間がいる。だが、タイムリープ後は何故かその融資が降りる。状況は何も変わってないのに!別に何かした訳でもないのに!なので、意味不明のまま無理矢理ハッピーエンドで物語は終わる。

特に酷かったポイント

1.参加理由

 物語の最序盤、主人公たちは明らかに自分たちの意思で逃走中に参加する。JO1の川西は「面白そうだから!」という理由、JO1の金城は先述した「町工場の資金集め」を理由として参加している。だが、物語の中盤で実はFANTASTICSの中島が全員分勝手に応募したという衝撃の事実が明らかになる。その理由は、主人公たち6人は元々同じ陸上部で中島がバトンを落としたせいでインターハイに行けず、友情がバラバラになってしまったからその責任を取ってみんなで逃走中に参加し、友情を取り戻したいというものだった。いや無茶苦茶すぎだろ。どう考えても金目当ての奴がいるのに実は自分では応募してませんでした笑はさすがに無理がある。しかも、その事実を話した後に中島は消滅する。しかもワイルドハンターに捕まったとかじゃなくてただのレクリエーションみたいなもので。

2.その裏切りは必要?

 物語中盤、スズキ(多分キャストは長井短)という人物が登場する。端的にいえば普通に悪人。他の逃走者をワイルドハンターにぶつけて消滅させるなどマジの悪人。しかし、主人公チームの一人であるJO1木全は長年の信頼関係があるはずの主人公たちを何故か裏切り、スズキと協力関係を結ぶこととなる。最終的には色々あってスズキを更に裏切るのだが、こいつの裏切りのせいで中島は消えることとなった。木全は中島が自分のせいで消えた罪悪感から終盤にほかの仲間にリセットボタンを押すことを託し、消滅する。マジで必要あった?この流れ。しかも別に裏切らなくてもみんなで山分けすれば充分な大金は手に入るのに。ちなみに、スズキには配下のモブ2人がいるのだがマジでぽっと出のくせに主人公たちと超仲良くなって主人公たちのためにワイルドハンターと"戦って"消滅する。いや、逃走しろよ。

これがスズキ

3.誰だよこのガキ 

この作品にはカイという理由があって話せないというガキが登場する。登場人物が何か話しかけてもボタンを押して「うるさい」などの固定した電子音声しか出さない。先程、散々述べた中島が消滅したレクリエーションというのは「地獄の21ゲーム」というものである。内容は面倒なので割愛するが、問題なのは声が出せなきゃ参加すら出来ないという点にある。このガキ、ガチの終盤になるまで本当に喋らない。そのくせにしれっとこのレクリエーションはクリアしている。絶対声出さなきゃ出来ないのに。しかも、声が出せない理由が病気とかじゃなくておばあちゃんっ子で訛りがあることでクラスメイトに虐められたからって…。
 ただ、このガキが最終的にリセットボタンを押すことになる。ゲームマスターみたいなヤツ(松平健)に「お前は金がいらないのか!」みたいなことを言われるがそれ小学生に解いてもさぁ…。ちなみにこのシーンの前、ガキがスイッチを運びながらワイルドハンターに追いかけられるシーンが存在するが。明らかにすぐスイッチを押せるのにモタモタ逃げてるシーンは本当に殺意が沸いた。やる気ねぇだろ。


肩の5つのボタンで会話することしか出来ない。

4.誰だよこの女

 さっきのガキには姉(田鍋梨々花)が存在する。何故か最終盤まで生き残るがガキがワイルドハンターから逃げるシーンで身代わりになって消滅する。ただ、それだけの女。それ以外はただいるだけ。



疲れてきたので終わり

 そろそろ疲れてきたのでここまでにしようと思う。本編にはもっとツッコミどころが存在する。本当にありえないくらい。全部取り上げるとキリが無いので気になる人は是非自分の目で見てほしい。個人的には出来は酷いものだが、「いや、そうはならないだろ!」ってシーンが多すぎてめちゃくちゃ笑えた。見てて面白かったのはすとぷりより逃走中だった、すとぷりは信者が怖いし。ちなみに1500円の価値は無い。以上、拙い文章ですが最後まで読んでいただきありがとうございました。

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