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【贈り物相談室/お客様相談室 令和6年10月号】デパート!物語お客様相談室①

1991年TBSテレビ放映の『デパート!夏物語』は、伊勢丹相模原店を舞台とした。
主演は西田ひかると高嶋政宏、脇役にはモト冬樹、森尾由美、中山秀征らが連ねた。
しかし、何といってもお客様相談室の室長役の中条静夫と課長役の小林稔侍が圧巻だった。
プロデューサーは大映テレビの野添和子、女優野添ひとみの双子の実姉である。
おそらく近頃の若い人には知られてないが、バブル名残の百貨店を舞台としたドラマとして当時は人気を博した。

ストーリーは高嶋政宏演じる新人デパートマンが、恋と仕事に失敗を重ねながら成長していく姿と、店内案内役の西田ひかるとその父親役でお客様相談室の課長を演じる小林稔侍がコメディな要素も盛り込んでいた。毎回、高嶋が失敗や問題を起こしお客様相談室の室長演じる中条静夫(7話より宇津井健)が解決するという百貨店らしいサービスの脚本である。
百貨店が抱えるさまざまな出来事を最終的にはお客様相談室が解決するのが売りだった。

伊勢丹相模原店が撮影場所を提供した。
伊勢丹相模原店は放送の一年目前の1990年9月にオープンした。初代店長は戦前に大きな力を持った大物の国家主義者の孫で保守と革新が交ざった人物。また当時の伊勢丹社長はオーナー家の四代目で革新に満ちており、伊勢丹の新しい支店づくりを指示した。テレビドラマの撮影を営業時間内に許可したのは斬新なPR方法で、全体の店づくりはチャレンジ精神が旺盛であった。

元々、相模原市の相模大野に伊勢丹が出店したのは市からの懇願だった。
しかしながら、相模大野駅は相模原市の南部に位置しており、隣接している座間市、厚木市、大和市、海老名市、そして国道16号線を跨いだ町田市が商圏である。小田急線の沿線でもあり、当時は隣駅の町田には小田急百貨店、東急百貨店、大丸の三つの百貨店がしのぎを削っていた。また相模原店の場所は相模大野から歩いて三分で通称『行幸道路』の先にあった。
道路を跨ぐので、正面玄関は2階に位置し、その先には相模原市のコンサートホールと図書館、及び隣接には大型駐車場があった。ちなみに相模原店の場所は元米軍病院が建っていた。その土地が米軍から市に返還されて開発が進められ、伊勢丹に白羽の矢が立ったのである。
残念ながら伊勢丹相模原店は2019年に閉店し、現在はマンションが建設中である。

TBSドラマの「デパート!物語」は好評で続、続々とシリーズになった。
デパート!夏物語(1991年7~9月・全10回)、デパート!秋物語(1992年10~12月・全11回)、夏デパート!物語(1995年7~9月・全12話)と続き、続々編は主人公が山口達也に代わった。お客様相談室の室長には厳格な中条静夫、宇津井健、船越英二(続々編)が演じた。そしてコミカルな小林稔侍とモト冬樹のコンビが脇を固め、どんな難問やクレームも解決できるお客様相談室のフィクションを盛り上げた。

このテレビドラマをきっかけに伊勢丹相模原店は顧客対応に大いに苦労をするのである。
なぜならば、実際の伊勢丹相模原店にはお客様相談室が存在しないのである。

次回より、ギフト研究所のお客様相談室はリアルなお客様対応をお伝えします。


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