【店づくり相談室 vol.10】ヒトの解剖学的な特徴と買い物行動
ヒトの手は2本しかないという物理的な事実
年が明けて肌寒い日が多くなりました。街に出ると、人々はコートを纏い、マフラー、手袋をして足早に通り過ぎていきます。店舗に足を踏み入れ、女性の買い物客を見ると、ハンドバッグとコートを手に持ち、片手で買い物をしています。雨や雪が降っていれば傘も持っていることでしょう。既にどこかで買い物をした後ならば、さらに手荷物は増えるわけです。こんな時、ホテルであればクロークに預けることもできるのでしょうが、商業施設ではそうはいきません。人の手は2本しかないという物理的な事実を購買行動に紐付け、それに見合った工夫をすることが、コンバージョンレートを高めるとともに、生活者に買いやすい店として選ばれる大きな要因となることを認識することが必要です。
左利きの割合は
世界の統計を見ると左利きの割合は約10%で、この数字は長年変動がないようです。日本国内での左利きの割合は、約11.5%で、男女別では、女性2.7%、男性3.6%で男性のほうが若干多いようです。これは、男性ホルモンが関係しているのではないかという説がありますが、子供のころに矯正された割合が女性の方が高いのではないかと推察します。近年は無理して矯正はせず個性として受け入れるケースが多いようです。
工業製品の設計は右利き用に
世の中の工業製品(道具や機械、楽器など)は「右利き」用に設計されているものが多くあります。ドアノブやドアのロックキー、エレベーターのボタン、鉄道の自動改札機、自動販売機、パソコンのテンキ―やエンターキー、カメラのシャッターボタン、腕時計のリューズ、ハサミ、急須、ギターなど例を挙げればきりがありません。
利き手と購買行動
世の中の工業製品が「右利き」用に設計され、それが暮らしの中に溶け込んでいれば、購買行動においても「右利き」の行動様式が平常体になっているはずです。これを裏付けるために実際に店舗でデータを採ってみると(n=656)、92%が右手でモノを触っていました。そうであれば、店舗における商品陳列も「右利き」用に設計するのが合理的ということになります。
右手でモノを取るのであれば、洋服を吊るすハンガーは、左向きに並べる陳列。
折ったり、畳んだりしてフェイスを少し重ねて陳列する場合は、向かって左側を重ね、右側のフェイスを見せるという陳列手法が、取りやすい陳列ということになります。
また、片手が塞がっているのであれば、片手で取りやすく戻しやすい量感を徹底することや、
決済の際にカバンやバッグを置く適切な高さの台を設置することも必要です。
これらの店づくりの工夫が、消費者に見やすく買いやすい店舗だという印象を無意識のうちに植え付け「選ばれる店舗」につながるのです。
店づくり相談室は、店舗の中でのお客さまの購買行動を円滑に促す買いやすい店つくりの仕組みづくりをお手伝いします。
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