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【解説】第6話 研究室選択は人生を左右するにゃ!

まとめ本に収録した各トピックの解説を掲載

これは学生に読んで欲しいトピックです。第24話逃げるにゃ!でもっと具体的な説明をしますが、まずは学位の取得方法の説明とともに研究室配属の紹介をしました。
 
その人の研究を評価する時、本来であれば個人の研究業績を見るべきなのですが、意外と気にされるのが指導教官の名前です。出身大学の名前はあまり関係ないです。海外にいけば日本国内の大学受験時の偏差値の差など誰も知りません。それよりも指導教官は国際的に知られているわけですので、海外にいっても「誰のラボでPh.D取ったの?」とは聞かれます。その時にまず指導教官を皆が知っているということはアドバンテージになります。それはその人個人の研究の評価という意味ではなく、どういう研究バックグランドを持っているのか説明しなくても分かってくれるからです。逆に指導教官の評判が悪いと嫌な顔されます(経験があります)。

学部3年生で研究室を選ぶ時、こういう国際舞台に立つことを想定することは難しいと思いますが、ここをただのガチャにせずに意図的に選んでいけると理想的です。・・・難しいのは重々承知ですよ。意図的に選んでも失敗するんですから・・。いわゆる一流大学と呼ばれる大学には一流のラボが多くあります。研究室配属ガチャの当たる確率が極めて高くなります。むしろすべて当たり。この辺りが大学院進学において東大などへの進学率が高くなる理由だと思います。
 
ここまでは著名な先生の研究室で学位を取るメリットについて述べましたが、その著名な先生と自分の相性が良いという話は別です。世界的に良いラボでも自分と合わないということはよくある話です。特に学生の時に相性の悪い指導教員のもとで研究活動を始めると、研究が進まず、論文投稿が困難になり、卒業や就職、進学に影響が出る場合があります。学位取得後の経験豊かな研究者(ポスドクや任期付き教員)は合わないラボから即離脱ということもできるのですが、経験の浅い学生の場合、「学位を人質に取られている」ということもあり、なかなか判断ができないように思います。
 
研究室生活が上手くいかないという経験をしたことのある研究者(大人)はたくさんいます。もし何かうまくいかないことがあれば周りに相談しましょう。何か打開策を提案してくれるかもしれません。



 


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