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陸上長距離競技の何がそんなに面白いのか
陸上ファンあるあるだと思うんですけど、「マラソン(駅伝)観に行きました」と言うと「一瞬で通り過ぎちゃうじゃん」と言われるし、「トラック競技が好き」と言うと「同じところグルグル回ってるだけじゃん」と言われます。
どうも一般的に
マラソン、駅伝=一瞬で通り過ぎるのに観に行って何が楽しいのかわからない
トラック=同じところをグルグル回っているだけだし観に行って何が楽しいのかわからない
という認識が存在するみたいなんですよね。そう思ってる人にたまについ熱く語ってしまう迷惑な人間。noteにも書いてみようかなと思います。
1.一瞬で通り過ぎる競技の楽しみ方
陸上ファンでない人でもマラソンや駅伝といったロードレースを沿道まで観に行ったことがある人ならわかると思うんですけど、選手たちはテレビで見ているよりずっと速いです。本当に一瞬で目の前を通り過ぎてしまう。「一瞬しか見れないなんて、面白くないんじゃないの?」というのがファン以外の方々の言い分のようです。
確かに交通費かけて(時には新幹線や飛行機に乗ってまで)沿道に行って一瞬しか選手を見ることができないのではコスパもあまりよろしくないですね。だから我々ファンは自分の足および交通規制のかかっていない交通手段を駆使して複数地点回るわけですよ(って説明するとたいてい「マジっすか?!(呆れ)」と言われ、笑われる。なんでやねん)。複数回見るための移動手段を、選手の走るスピードを考慮しながら事前に勘案するのもロードレース観戦の楽しみのひとつです。ここでも選手の走るスピードが意外と速いことに驚くことになるし。
↑昨年MGCの観戦ルートを考えた痕跡と、コースマップをもとに実際の観戦ルートを書き込んだ地図(こういうことにばっかり命をかけている)
あとロードレースは何より、選手に対して大声で声援を送るのが楽しい。無駄にテンション上がる。「一瞬で通り過ぎるのに何が楽しいのか」と思ってらっしゃる方には、1人でもいいから出場選手の名前と顔を覚えていただき、沿道で一度名前を叫んでみていただきたいと思います。
2.同じところをグルグル回っている競技の楽しみ方
トラック1周400mなので、長距離走の5000m走だと12周半、10000m走だと25周、同じところをグルグル回ることになります。
実は私、自分でも、オリンピックや世界陸上でわかりやすくはっきり順位のつくトラック競技はともかく、記録会やタイムレースのトラックレースを見て何が楽しいのかよくわからないまま観ています。
私は選手の性格や練習量、競技にどれだけ真剣に打ち込んでいるかが走りに出るものだと信じて疑っていないんですけど、それを確認するために観に行ってるのかな、と思います。
「走りに出る」と言っても必ずしも美しいかたちで表れるわけではなく、苦しそうに(心理的な意味で)見えたりもする。ずっと苦しそうだった選手が、あるとき壁を乗り越えたのかなと変化を感じるときもある。タイムは良いけど全然納得してないんだろうなーとか思うことも。楽しそうだなと思うこともあります。伸びてる最中で走ることが楽しくて仕方ないんだろうなと思うような走りの選手に出会うと、見てる方も嬉しくなる。
そういうのを、ちょっとだけ想像力を働かせて見るのが面白いと思ってる…のかな?
3.提案:目を見る
東洋大学陸上長距離部の酒井監督は、選手にサングラスをしないよう指導しているそうです。理由は「目を見てもらうため」。だからと言うわけでもないんですけど、私は選手の目を見るのが好きです。
序盤の集団走で、勝負所を見極めようとする鋭い目。自分のペースを崩すまいと集中する目。ラストに向かって苦しくなっても力強く前を見据える目。
何かに集中する真剣な目というものは、長距離競技に限らず、あるいはスポーツに限らず人の心を動かすものです。それを特につぶさに見て感じることができるのが陸上長距離競技だと思っています。
↑サングラスの奥に透ける目がイイというパターンもある
とかなんとか色々語ってきましたけど、実を言えば、「レース後、その日の選手の走りについて友達と呑んだり食べたりしながらおしゃべりする」のが何よりも楽しかったりするんですよ…。
↑最高の夏