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ツキステ。11幕を観に行って。②

一番最初に感じたこと。
ああ、わたしはちゃんと、ツキステ。が好きだった。

今回のお当番は年中組。6幕「紅縁」(くれないえにし)の時と一緒だった。秋葉さんの隣にいる鷲尾さんを見て、なつかしいと素直に感じた。陽夜の幼なじみ、松永太一(まっつん)役の成瀬広都さんがいたことも大きい。ちなみに、まっつんには6幕で多大なご恩があるのだが、その話はまたの機会に。
さらに、紅縁の主題歌および劇中歌が、インストバージョンで舞の楽曲として使用されていたことが最高にアツかった。舞台キャストである旅一座の高虎(田中彪さん)が「絶景祭夜」を生歌で披露してくれた時は、泣きそうになった。場面転換の際、シャン...と神楽鈴の音が聞こえるのだが、これがまた6幕を思い起こさせる。
想い出深い紅縁。まさかこんな形で振り返ることになるなんて。6幕は、栗田さんが初めてツキステ。に出た回であり、わたしにとっても初ツキステだった。天狗の里で繰り広げられるストーリー、演出、照明、キャラクター、曲のすべてに至るまで、なにもかもが好きな世界だった。
11幕も同じ和の世界であること、衣装や全体的な雰囲気にも、ところどころ6幕と共通するものを感じた。そのおかげかどうかはわからないが、お芝居パート、ダンスライブとも、あれほど恐れていたのが嘘のように、何の不安も不満も生まれず、心の底から楽しめた。殺陣のシーンだけは、栗田さんの殺陣をまた観たいと少しだけよぎったが、それはまた別の機会があると、すぐに思い直すことができた。

哀しみを引きずることなく、ちゃんと楽しめた。
そのことがとても嬉しかった。

そして、鷲尾さんの陽は、やはりものすごく陽だった。当然といえば当然だ。わたしが初めて陽を観たのも鷲尾さんだったのだから。月花神楽の同じ衣装を着ていても、彼の姿に栗田さんを重ねることはなかった。ちゃんと切り替えられた自分に安堵しつつ、そこはやはり鷲尾さん自身の魅せる力だと思う。あらためて、凄い役者さんだ。

栗田さんは、陽のことが好きで仕方ない、陽を演じることができて心からうれしい、そんな喜びいっぱいに、ツキステ。の世界を愛する気持ちを、そのまま表現されていた。鷲尾さんの陽は、あまりにも自然すぎるほど陽そのものだった。ブランクも、ひさしぶりの力みもまったく感じさせない。ワンチャンのような激しい曲でさえ、ふんわりと柔らかい。ダンスとは、スピードとキレだけではないことを知った。あの曲の振りに優雅さを感じるとは思わなかった。
漆黒のダンスライブはグラビメインなので、ユニソン以外プロセラはバックダンサーだったが、相変わらず鷲尾さんは、バックにいてもひときわ目を引く。6幕で感じた印象は今も変わらない。推しではないからこそ、贔屓なしに彼の凄さがわかる。

さて、次はいよいよ月白の章だ。

③に続く

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