ときめきの正体 宝塚歌劇
宝塚歌劇というと、皆さんがまず思い浮かべるのは男役の存在だと思う。
どんな印象をお持ちだろう?
美形で背が高くて独特のオーラがある、私の場合この程度のイメージしか持ち合わせていなかった。
特に贔屓(推し)もなく、
キラキラな世界を楽しみたいという、とてもライトな感覚のファンだったのだ。
しかし今日たまたま見かけた古い記事、タカラジェンヌ時代の一路真輝さんのインタビューに、そのライト感覚は打ちのめされてしまった。
男役の凄まじい矜持を垣間見てしまったのだ。
曰く、
おしゃれして男の人とデートしたいなんて思ってしまったら、男役としての精神力を保てない。
そうなったら、半年後には辞めるという覚悟をしなければ。
これはもはや聖職者の姿だ。
単なる職業努力を遥かに超えてしまっている。
女性として生まれて女性として生きることを精神の部分から放棄すること。
それはスキルや時間のみの切り売りではなく、自分自身と人生そのものを男役に捧げることだ。
壮絶、意外にふさわしい言葉がほかにあるだろうか。
衣装、メイク、所作から立ちのぼるオーラは、この凄みだったのか。
男役の彼女たちは、外面だけで「男」になっているのではないのだ。
そしてこの自己犠牲の是非を外野が論じるのは無意味だろう。
これは生き様なのだから。
とここまで書きすすめたが、見ている男役のオーラが極彩色でせまってくる気がする。
これがときめきなのだろうか。
贔屓ができる日も、そう遠くないかもしれない。
ついに沼にはまるのか私…。
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