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FIT制度の認定失効に関する議論の経過

今年6月に成立したエネルギー供給強靭化法の中で、FIT法(再生可能エネルギー特別措置法)の改正が盛り込まれていました。そこにあった、FIT制度における事業計画認定の失効制度を巡る騒動が起きています。

FIT認定の失効

今回成立した改正法は2022年4月に施行予定となっていますが、その時点で既に事業計画認定を受けている案件も含めて、この失効制度の対象になります。(下記は再生可能エネルギー大量導入・次世代ネットワーク小委員会(第18回)基本政策分科会 再生可能エネルギー主力電源化制度改革小委員会(第6回)合同会議 資料より抜粋)

20200722_再エネ合同会議資料抜粋_失効制度-1

この既に事業計画認定を受けている案件の失効期限がいつになるのかが不明である、これまでの経済産業省の動向から事業者にとって不意打ち的に失効期限を設定するのではという懸念が広がり、特に金融機関が太陽光発電事業への融資に消極的になったという話が業界を駆け巡りました。

合同会議への論点提起

7月22日に開催された、再生可能エネルギー大量導入・次世代ネットワーク小委員会と再生可能エネルギー主力電源化制度改革小委員会の合同会議の資料の中で、この問題についての論点提起が下記のように行われています。

20200722_再エネ合同会議資料抜粋_失効制度-2

業界関係者などからの声を受けて、早期に制度設計の見通しを示すことによって、その懸念(融資がついて事業化進行中の事業が失効してしまうリスク)を解消するべきでは無いかという論点提起になっています。

既に長期未稼働となっている事業については、FIT制度の調達価格を適時見直すことは理にかなうと思いますし、今回の経済産業省・資源エネルギー庁による論点提起も妥当な内容だと言えるでしょう。

この問題については、引き続き経過を追っていきます。

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