#033 この先、絶対に市民農園ブームが来ると思う10個の理由 第4話:理由について話します(後編)
皆さん、こんにちは。
いつもブログを見てくださり、本当にありがとうございます。
今日は前回に引き続き、「この先、絶対に市民農園ブームが来ると思う10個の理由」の中身についてお話ししたいと思います。
内容は前半からの続きですので、まだお読みいただいていない方は是非、前半からお読みください。
リンクを貼っておきます。
それでは引き続きご覧ください。
(3)将来的な社会構造の変化
⑦高齢化と離農者増加により日本全国で農地が余るから
⑧働き方改革や2024年問題の影響から物流に懸念が生じるから
⑨AGI(汎用人工知能)の普及と更なる技術革新によって多くの人が暇になるから
現在の日本では、高齢化による離農者の増加によって全国各地で農地が余っている状況です。それを有効活用しない手はありません。
最近では農地を潰して大型商業施設や工業団地などの企業集団を誘致することが多いですが一旦農地を潰してしまった後、再び農地にするのは極めて困難です。
なぜならば、商業用地、工業用地として利用された場合、もともとの土壌にいた微生物が死滅するだけでなく、重金属や化学物質などの汚染も考えられます。また地下水源や周辺環境なども影響を受けることから元の農地にすることは困難であると言えます。
ですから、農地は農地のまま維持管理し必要があれば大規模集約すれば良いのです。
荒廃農地を再生させ、市民農園のような一定規模の農地として活用することは今あるリソースを上手に活用する方法だと言えます。
またこの2024年4月から物流業界に残業規制が開始されます。いわゆる2024年問題です。
これまで適用猶予期間の対象であった物流業に「働き方改革」の名のもとに残業規制(=働くのを無理やり妨げる取り組み)が導入されました。これによって今までは物流業界の皆様のおかげで、早く、安く届いていた品物が、届くのが遅くなる、または高い値段になってしまう懸念がある訳です。
この働き方改革については色々言いたいことがありますが、ここではいったんおいておくとして、そのような状況が通常化してしまった場合、せめて、「自分たちが食べるものは、自分たちの近くで、自分たちで作る」という、文字通りの地産地消の取り組みが活きてくる訳です。
工業加工品など、技術やコスト、品質、安全性などの観点からどうしても無理なものはありますが、せめて米、穀物、野菜、果物など、自分たちで作れる範囲においてはある程度完全な地産地消は実現できると思います。その時に利用価値が出てくるのが、やはり市民農園であると考えます。
※揚げ足を取られたくないので先に断っておきますが、別に工業業界が付加価値が高く優秀で、農業業界がやっているような野菜作りは誰でもどこでも簡単にできることだ、と馬鹿にしている訳ではないですからね。
(つい最近、某静岡県知事が同じような内容で炎上していましたね・・・)農作物も技術やコスト、品質、安全性など十二分に必要なことは理解していますので悪しからず。
それから、今後約10年程度の間にAGI=汎用人工知能が一般的になると予想されます。
現在の特定分野に特化した専門性の高いAIではカバーできなかった幅広い用途に対応、応用が効くAI、それが汎用人工知能、AGIです。
すごく単純に言ってしまうと「ドラえもん」ができる訳ですね。こうなったら世の中は間違いなく一変します。蒸気機関による産業革命や、インターネットによる情報革命がそうであったように、様々な仕事が淘汰され、同時に今では考えつかないような新たな仕事が生まれ、爆発的に普及すると予想されます。
これまで我々が常識として捉えていたいくつかの「やらざるを得ない労働」から解放される可能性もあります。
そうなった場合、今では考えも及ばないかもしれませんが多くの人が「暇」になります。
しかし、たとえ「暇」になったとしても人間誰しもお腹が減ります。そんな中、「やらざるを得ない」労働から解放され、毎日のを快適に優雅に過ごす一つの手段として農作業という手もありかもしれません。
生活のための仕事はAGIにまかせて自分は外で農作業、なんて暮らしももうすぐそこまで来ているかもしれません。
(4)予期せぬ事態の発生
⑩大災害や戦争や紛争が起きる可能性があるから
不安をあおるつもりはありませんが、食料危機は様々な原因で発生する可能性があります。
自然災害、紛争、戦争・・・
我が国も約80年前の戦争がきっかけでその後の食糧難に陥りました。
また1993年の記録的な冷夏によるコメの不作も記憶にある方もいらっしゃるかもしれません。その時はタイから大量に米を輸入しました。
このように飽食極まる現在の日本では全く想像もできないかもしれませんが食料危機はあり得るのです。
さらに、食料そのものがなくなる、または輸入できなくなるリスクに加えて、食料を育てるためのエネルギー(石油、天然ガス、石炭)、肥料(窒素、リン、カリ)、飼料(トウモロコシ、麦)、種子、ほぼすべて輸入です。
ロシア、ウクライナ戦争のときに肥料価格が高騰したり、イラン、イスラエル紛争でホルムズ海峡閉鎖のリスクもある。
畑とトラクターはあるけど、動かすための軽油がないから米ができない、なんてことが普通にあり得る訳です。
紛争だけではありません。大災害で道が寸断され物流が滞り食料があるのに手元に届かないなんてこともあり得ます。
だから市民農園です。
近場で「自分たちが食べるものは、自分たちの近くで、自分たちで作る」ということが可能になるのは市民農園です。
そもそも「市民農園」発祥と言われるイギリスでは戦時下における食料確保のために市民に農園を作らせ、そこで自ら作物を作らせたことが始まりともいわれています。
皆さん肌感覚でお気づきだと思いますが、世界が動乱に至ろうとしている今、物流危機、災害、紛争、戦争が絶対に起きないとも限りません。(というか個人的には今後数年から十数年の間に災害や紛争起きる可能性の方が高いと見ています。)
その時、自前で食べ物を調達するための「場所、知識、ノウハウ、仲間」すべてがパッケージ化された市民農園という仕組みは今後、価値を増してくる可能性があります。
このように様々な変化や社会的背景に基づく理由から、「この先、絶対に市民農園ブームが来る」と考えます。
今日は「この先、絶対に市民農園ブームが来ると思う10個の理由」について、なぜそう確信できるのかそう思う理由の中身について説明してみました。
今日はここまでです。
続く