見出し画像

農業を継ぎたかったけれど

私の家は兼業農家でした。
祖父までは専業で農業をやっていましたが、父は勤め人となったため、兼業農家となったようです。

小学生の時、稲の品種改良で米の生産北限が上がっていった話を社会の副読本で見て感動し、「農業継ぎたい」と親に言っておもいっきり反対されました。
「農業では食えない」厳しい現実を突きつけられました。父の言葉は正しかったと思っていますが、その言葉は呪縛となりました。

その後、生物、農学系は避けて進学、就職し、農業からは距離をおいたはずでした。
やがて、仕事がキツイ時、会社で苦しい立場におかれた時、「農業やりたかったんだよな」と思い出すようになりました。

当時の私は、農業をやりたい気持ちを押し殺すため、図書館で手当たり次第、園芸、農業や林業に関する本を借りて読み、「無理」と自分に言い聞かせていました。農業はこんなに大変なんだ、仕事がキツイからと農業に逃げて、上手くいくはずがない、と。
今にして思えば、不毛なことをしていたな、と思いますが、結果的に、その時に得た知識はしっかりと身に付いていたようです。
昨年、日本農業技術検定の3級(栽培系)と2級学科(野菜)を受けたところ、たいして勉強しないであっさり合格できたのですが、「農業やりたい」と思いながら読んだ大量の本の知識があったのが大きかったです。

2014年に会社で所属していた部署が存続の危機となり、真剣に転職の可能性を考えることになりました。結果的には今も同じ会社で働いていますが、この時、「転職するなら農業がやりたい」と考え、「まずは家庭菜園からやってみよう」と体験農園の利用を始めました。
始めて最初の半年は上手くいかず、あまり収穫がなかったけれど、その後は収穫出来るようになりました。まわりの人達に育て方を聞かれるようにもなりました。

振り返って、思いきって農業にトライしていれば、案外上手くいっていたのかな、とも思いますが、「農業では食えない」という父の言葉は、栽培の問題ではなく、生産した作物を販売し、収益をあげることの大変さ、が大きかったと理解しています。
また、なんだかんだいって今の仕事も気に入っていて、辞める決心がつかなかったのもあります。
このままグズグズと「農業やりたい」と言いながら今の状態を続けるのかもしれませんが、それもありかな、というのが今の気持ちです。

note を始めたのは、育て方のコツを聞かれた時に上手く説明出来ず、後で「こう言えば良かった...」と思う事が多かったからです。
上記の経歴から来る、素人にしては詳しい方らしい知識をベースに、でも、仕事として農業をやったことがない、あくまでもアマチュア目線での、家庭菜園をやる上で参考になる情報を書いていけたらと考えています。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集