ライトの過ち
ライトというのは、かの有名な建築家のフランク・ロイド・ライトのことです。ある時、ホームステイしていた家の奥さんに「シカゴに住む娘の家に一緒に泊まりに行こう」と誘われて、車で3時間かけてシカゴへ行きました。
娘さんの家の近くにフランク・ロイド・ライトの記念館のようなものがありました。中を回るツアーに参加した時、ガイドさんがフランク・ロイド・ライトの人生について語ってくれたのです。ライトはある時、家の設計を依頼してきた施工主の妻と恋に落ちてしまい、なんと自分の妻子を捨てて彼女と駆け落ちしてしまったとのことでした。
その話になった時、私の隣にいたホームステイ先の奥さんが、ブツブツと「彼は間違ってた。間違った選択をした。」とつぶやいていたのがおもしろくて笑ってしまいそうでした。敬虔なキリスト教信者である彼女にとっては、許しがたい行為に思えたのでしょう。ライトはこのことがきっかけで評判を落とし、設計の依頼はぱたりと途絶えて、しばらく暗黒の時代をすごしたそうです。あまり知られていない話ですが、この挿話があった方が、より人間らしさが感じられておもしろい気がします。
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