人生日記 part.1 モノゴコロ
モノゴコロがついた時をはっきりと覚えている。
それは三歳のころ、自宅で朝食の準備をしている最中のことだった。私は皿を机に運ぶ途中に覚醒した。
不思議なものでそれまでの記憶が一切ないにもかかわらず日本語と家族構成、朝食の準備中だということを理解していた。
しかし、突如覚醒した私はプチパニックを起こしていたのだろう。すぐに皿を机に置き、冒険をするかのように二階に駆け上がった。
そしてドアをあけてある部屋に入った。
腰を抜かすほど驚愕した。
そこには、見知らぬ老婆がいるではないか。私は怖くなりすぐに一回に降りて母親に言った。
「知らない人がいる。」
祖母だった。
どういうわけか私の脳ではその瞬間、祖母として記憶されていなかった。
年老いてボケたときに起こるような体験を私は一番初めに経験したのだ。
始まりの朝に終わりの一端を垣間見た。
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