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1時間にわたる、りっぱな指揮でした

12月も中旬を過ぎ、大雪に見舞われたりしている地域もあるのに。
ここ関西は、まだまだ日中のお日様はあたたさを感じます。
日々の気分は、温度変化によってかなり左右されると聞いている高齢者の人たち。今年はコロナの心配もずっと長い間続き、この不安な気持ちはいつになったら拭い去ることができるのでしょうか。

介護施設のレクリエーションも、数か月にわたる「中止」を余儀なくされ、
久しぶりにうかがった施設では、認知症がかなりすすんでしまったなぁ~と、感じています。

重い認知症の人たちは、コロナが何かもわからないケースも多いと聞きます。

・なぜ、家族は面会に来てくれないんだろう?
・どうしてみんなは毎日マスクをしているんだろう?
・いつも歌を歌わせてくれる先生はどうして来ないんだろう?

施設のスタッフに、そんなことを問いかける人もあるとか。


そんな中、ほんと、数か月ぶりに伺った老人ホームでの出来事です。

認知症の人たちの中には「多動」といって、一か所にとどまっていられない症状のある人がいます。
当然、イベント中にも椅子に座り続けることができなくて、すぐに立ってうろうろ歩き回ってしまうのです。
私のイベントの参加者にもそんな「多動」の人が何人もいらっしゃいます。

ですが、、、不思議、不思議!
音楽が流れている、みんなが歌を歌っている、先生がピアノを弾いてくれている。。。
きっと、流れる空気がその方の心を落ち着かせるのでしょうか。
1時間、立ち上がることなく、椅子に座っている!
これには、スタッフの人たちも驚きの目。

ある男性の場合・・・
ずっと両手を高く上げ、指揮をしていらっしゃいました。
それが、上手な指揮なんです。
三拍子は優雅に、四拍子もそれなりに。
皆さんが歌う声にあわせて、表情豊かに、まるで指揮棒を持っているかのようでした。


各自にご用意した歌詞カードを見ようとはされません。
まわりの人が歌っていても、ご自分の口が動くこともありません。
でも、音楽に浸って楽しんでいらっしゃるのはわかります。

終了後、お声をかけてみました。
「指揮、とてもお上手ですね!」
答えはかえってきませんでした。


でも、

次回もきっとすばらしい指揮を振ってくださることを期待しています。

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