読書感想文「好きなようにしてください」
本について
タイトル:好きなようにしてください たった一つの「仕事」の原則
著者 :楠木建
発売 :2016年
あらすじ:20代~40代から寄せられた仕事の迷いや悩みに対して、時に厳しく、ユーモアに溢れた視点で楠木建氏がアドバイスをおくる。
好きなようにしてください
本書には、仕事にまつわる様々な「悩み相談」が寄せられる。
「大企業とスタートアップで迷っています」
「30代でいまだに仕事の適性がわかりません」
「キャリア計画がない私はダメ人間ですか?」 などなど。
楠木健さんの回答は、一部の例外を除いてひとつだけ。
悩み相談に対して、なんとも投げやりな回答だと思うかもしれないけれど、考えてみれば、確かに「人の悩みなんて最終的には、相談者の好きにするしかないでしょ」と回答せざるを得ない、というのも事実。
良い言い方をすれば、すでに答えは相談者さんの中にある。
顔も知らない会ったことの無い他人の、簡単な文面で送られた”悩み”に相談者が納得するような答えを与えるなんて、至難の業、いや不可能かもしれない。
なので、結論はだいたい”好きなようにしてください”。
ただし、その後の楠木さんの仕事論や、相談者へのメッセージが非常に面白いので、ずっと楽しく読み進められた。
「キャリア計画が無い私はダメ人間ですか?」という内容の悩み相談に対しては、以下のとおり。
という具合。
思わず吹き出して笑いました。
意識高い系の(ただし楠木さんから言わせると極めて底の浅い)質問に対しては、結構ビシバシと斬り捨てていきますが、逆に一見しっかりと指導が必要な内容ほど適当、というかユルイ。(笑)
特にP154からの「colum2 仕事の原則(僕のバージョン)」の仕事の原則10カ条がとっても刺さりました。
「自己評価はなしよ」の原則や「誰も頼んでないんだよ」の原則など、心に刻みたい内容で、書店で見つけられた際にはこのコラムだけ立ち読みしていただきたいと思うほどです。
人生はトレードオフ、好き嫌いのツボを押さえる、具体と抽象の往復運動、無努力主義など(一部、本書には入っていない内容もありますが)、僕は楠木さんの人生哲学がとても好きになりました。
今後も、自分の好き嫌いのツボを探しながら好きなようにしよう、と思える本でした。
おわり
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