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金融ライフハック「プリペイドカード」のススメ

 VisaやMasterCardやJCBといったカードには、三種類あることはご存じだろうか。3種類は具体的にこのようなシステムとなっている。

クレジットカード 毎月カードで支払った総額を、翌月提携した口座から引き落とす後払い方式のカードを指す
デビットカード カードで支払った際、即座に口座から引き落とされるカード。二重引き落としや、落とした際に使われる危険性などが孕む。また、電気料金などの公共料金に対応していないことが多い。
プリペイドカード 事前に所定の方法でチャージしておき、使うごとに残金が減っていく前払い方式のカード。PasmoやSuicaに国際ブランドがついたカードだと考えるとわかりやすい。

 私は大学生などには特にプリペイドカードを勧めている。家計を管理しやすくなるからだ。そのメリットをこれから見ていこう。


プリペイドカードのメリット

使いすぎない

 クレジットカードやデビットカードは、今までにいくら使ったのか、いくら残っているのかを気にせずに使うことになる。しかしプリペイドカードは毎月能動的にチャージしないといけない上、カードによってはひと月のチャージ上限額が設定されていることもある。クレジットカードは口座の残額を超過して使用しても使い続けられるが、プリペイドカードは残額を使い切った時点で使用不可能になる。
 つき自由に使える予算が5万円だとすれば、5万円をチャージするだけでそれ以上は使えない。浪費癖があったりする人にはもってこいだろう。月の支出を管理しやすいのである。

リボなど危険な支払い方をせずに済む

 クレジットカードは使っているうちに自然とリボ払いになっていたケースが少なくない。またほかの支払い方に知らないうちに設定されていて、余計な利子を支払う羽目になるケースも多いだろう。しかしほとんどのプリペイドカードは一括払い以外を利用できないことが多い。
 カードと適切な付き合い方ができるのだ。

クレジットカードを持ち歩かずに済む

 クレジットカードやデビットカードを持ち歩くのはセキュリティ上のリスクとなる。特にデビットカードを落とした場合、口座がすっからかんになるまで使われる危険性が高いのだ。
 プリペイドカードであれば落としても残額以上は不正利用されないし、落としても機能を停止すればいい。安全なのだ。

カードからチャージできる

 プリペイドカードによってはクレジットカードやデビットカードからのチャージに対応している。これにより、プリペイドカードにチャージした際にクレジットカードにポイントが加算され、さらにはプリペイドカードを利用した際にもポイントが加算される。つまりポイントを二重取りできるのである。

家庭全体の支出をまとめられる

 例えば共用のクレジットカード1枚と個人用プリペイドカードを一人一枚づつ持っている夫婦を想定してみよう。夫婦は毎月クレジットカードからプリペイドカード2枚にチャージすることにより、クレジットカードの支払い履歴は2人にチャージした分が表示される。いちいち別々のカード履歴を把握する必要がないのだ。

ポイントがもらえる

 現金はポイントがもらえないが、クレジットカードはポイントがもらえるものが多い。場合によっては、月の支出を最大1.5%減らせるかもしれないのだ。

レジが早い

 現金の支払いは非常に時間がかかり、また小銭の管理も面倒だ。しかしプリペイドカードはスライドするか、差し込むか、タッチするだけである。コード決済であればアプリを起動する手間がかかるが、プリペイドカードはカード一つ持つだけである。

支出が可視化できる

 ほとんどのプリペイドカードは、どこでいくら使ったか、使用履歴を保存している。現金で支払い家計簿に記帳する手間はなく、月の総支出額もすぐに表示される。使いすぎかどうかが一目でわかるのだ。

QRコード決済と紐づければ、ほとんどの店で使える

 d払いや楽天ペイに紐づければ、クレジットカードは対応していないがQRコード決済には対応している店でも支払える。逆も同様で、プリペイドカードをもてばQRコード決済に対応していない店でも使用できる店が増えるのだ。

おすすめのプリペイドカード

 では、具体的にどのようなカードを持てば便利になるのだろうか。それは個々人の生活形態によって異なるので、それぞれのケースを見ていこう。

ポイントが欲しい人

B/43

 還元率は0%である。おい、還元率0%ってことはいくら使ってもポイントがもらえねぇってことじゃねぇか!と指摘されたい方もいらっしゃると思う。
 しかしこのB/43は還元率1.5%が確実に受け取れる。Vポイントカードprimeで日曜日にチャージすると、同カードにチャージした金額の1.5%分のポイントが加算されるのだ。もちろんVポイントカードPrimeのポイント加算対象外と指定される危険性があるのでそのような発表があるかどうかは定期的にチェックする必要があるが、今のところ問題なさそうだ。
 またこのやり方によってポイントのもらいこぼしを防げる。例えばau PAYプリペイドカードのような、200円ごとに1ポイント(還元率0.5%)のプリペイドカードで150円分の買い物をしてもポイントはもらえない。200の倍数に満たない分のお金についてはポイントをもらえないため、還元率が下がってしまうのだ。しかしこのカードはチャージ分ポイントが付与されるので、もらいこぼしがない。プリペイドカードで1.5%の還元は最高レベルだ。
 不正利用の保証もついており、セキュリティも万全である。

支出管理を簡単にしたい人

Kyash Card

 還元率は1.0%で、100円ごとに1ポイントもらえる。
 ただしクレジットカードでチャージすると還元率が0.2%に落ちるので、銀行座から直接チャージしなければならない。逆に言えば、銀行からチャージするだけなのでほかのカードを噛ませる手間がないともいえる。
 また月にもらえるポイントにも上限があり、5年のカード更新時期ごとに発行手数料もかかる。ポイントは残額に充当するオプションしかなく、他社ポイントに交換することはできない。

Softbank、Y! mobile、LINEMOユーザー

ソフトバンクカード

 還元率は0.5%で、200円につき1ポイントもらえる。
 正確に言えばクレジットカードでチャージはできないのだが、月の通信費と合算してチャージできるので、通信費をクレジットカードで支払っている人はポイントを二重取りできる。貯めたポイントはPaypayポイントに交換できる。
 なお発行は上記のSoftbank回線と契約している人に限られている。

JCBカードを持っている人

ANA JCBプリペイドカード

 還元率は0.5%である。キャッシュバックコースを選んだ方は、200円につき1円残額にキャッシュバックされる。マイルコースを選んだ方は1000円の使用につき5マイル付与され、このマイルを残額に加算することはできない。
 ただしブランドはJCBなので、VisaやMasterCardと比べて利用できる店舗は少ないかもしれない。

微妙なカード

 最後にイケていないカードをご紹介してこの記事を結びたいと思う。以下に紹介しているカードはスペックとしてB/43に負けていると思しい。

au PAYプリペイドカード 
 以前はプリペイドカードといえばこれだった。しかしau PAYカードの還元率低減や、チャージ上限額の大幅減額、5年ごとの更新料加算など、改悪を繰り返してきた印象だ。
 au IDを持っていれば発行できる。チャージ上限額はau PAYカード以外だと月5万円と低いが、au PAYカードと組み合わせると25万円に上がる。例えば、au PAYカードで1000円チャージすれば、ほかのカードで月249000円までチャージできる。
 還元率は0.5%で、200円ごとにPontaポイントがもらえる。Lawsonやライフを使う人には嬉しいだろう。またau PAYと自動で紐づいているので、ほかのマイナーなQRコード決済に紐づける手間がない。

IDARE
 還元率は2%と破格だが、還元には複雑な条件が要求される。また倒産時のリスクなども大きく、一言で言ってしまえば面倒くさいカードだ。プリペイドカードに利便性を求める人にとって、このカードは本末転倒だろう。
 ただしクレカから自在なチャージもでき海外事務手数料が無料という大きなメリットもある。海外に行く機会が多い方は検討されてもよいだろう。詳しくは以下の動画が詳しい。

三井住友カード発行のプリペイドカード
 dカードプリペイドかぞくのおさいふVisaプリペなどである。
 ほとんどが条件が小うるさく、VJAグループ発行でないとチャージ手数料がかかるとか、チャージしても還元率が半減するとか、そういう縛りが多い。これを発行するくらいなら家庭内で残額を共有しやすいB/43の方がいいだろう。

Visa LINE PAYプリペイドカード
 毎月キャンペーンにエントリーすれば3%という破格の還元を受けられるが、LINE PAYもサービス終了したところを鑑みると、いつまで続くかわからない。またリアルカードの発行もできない。
 QRコード決済などに対応していない店でも電子マネーで支払えるようにプリペイドカードを発行するのであって、リアルカードがないならQRコード決済で充分だろう。

エポスVisaプリペイドカード
 エポスカードオーナーしか発行できない上、エポスカードでしかチャージできない。三井住友系のプリペイドカードと同様、ポイント二重取りができない。また、不正利用の補償もなくセキュリティに不安が残る。

MIXI M
 更新手数料や発行手数料が高額であり、還元率も0%である。これを発行するならB/43の方がよいだろう。

バンドルカード
 還元率は0%である上、不正利用の補償もほとんどない。これを使っていて痛い目を見た方の記事も残っている。
 WebMoneyカードも同様の問題を持つが、同カードはクレジットカードチャージにも対応していない。

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