絵物語「想定にない別解を出されて困惑するスフィンクス」
-オッ、
来おったな、ニンゲンめ
今回も最高のナゾナゾで苦しめて、食い殺してやるわ
-ゲッ、こいつ確か…
ナゾナゾに答えられなかった者を食い殺すという化け物、スフィンクスじゃん…
確かこう…
「いくぞ
朝は四本足、昼は二本足、夜は三本足
これは何か?」
-キタ!これだよ!
「答えはッ
リクアルキオオダコだ!!」
「は?
なんだそれは?」
「いやまさにその通り、朝は四本足、昼は二本足、夜は三本足で歩く生き物だけど
正解でしょ、これ」
「いや知らないんだけどなにそれ?」
「いやこれ以外に答え無いと思うけど?何のつもりで出題したわけ?」
「イヤイヤイヤ、わかんないからってあんま適当に答えないでよ、そんな化け物聞いたこともないんだけど」
「これくらい常識だよォ!?ってかお前も化け物でしょー?
それとも何ー?ずっと山に引きこもってるせいでこの世界の生き物のこと何も知らないわけー?
そんなんでよくクイズ好き名乗れるよねぇ〜!?」
「別にそこまで名乗ってないんだが!?お前が的外れすぎる答え言うからだろ!?
そんな答え出されたの初めてだよこっちも!!」
「じゃあお前が言う正しい答えってなんだよ!?」
「…まぁいいか
答えはニンゲンだ」
「いやその答えはおかしいと思うけどね?」
「はぁ?」
「いやだって朝から夜までの間で赤ん坊から老人になるっておかしいじゃん?」
「まぁ言われてみればそうかもしれないケド、あくまでナゾナゾだしね?」
「そうやって話を曖昧にしないの
ちょっと考えればその『ニンゲン』が答えだって思う人もいるかもしれないけどさ、よく考えると違うわけじゃん
今までこんな理不尽な問題の答えがわからなかった人達食べてたわけでしょ?
ンで的外れな答え言った俺を今から食べるわけでしょ?」
「…すまん、なんか食いづらいわ」
「別に謝られても困るけどね?
ただ今まで人を食い殺した分の償いはなんかしてもらわないとねって話なんだけど
さっきこうやって正解を言ってみせたわけだしね?」
「うぅ…こんな図太いニンゲンは初めてだ…
とりあえず償いはする、せめて最後に、お前が言うリクアルキオオダコってやつを見せろ!」
「いいけど、じゃあ俺が出す問題に答えてみてよ
答えられたら見せてあげる」
「なに!?」
「じゃあいくぜー!
朝は三本足、昼は二本足、夜は四本足、これは何だ?」
「いやさっき私が出した問題のパクリじゃないか!?」
「リクアルキオオダコを見せてもらいたいんじゃないか?」
「それはそうだが…」
「なら答えろ!」
「う〜む…
さっきのリクアルキオオダコってやつの仲間か?」
「ざんねーん!
答えはニンゲンでしたー♪」
「…はぁ!?」
「朝は朝×ちで三本足になって、昼は二本足で歩き、夜はベッドで×××して四本足になるってコト♪」
「…やっぱお前死んでもらうわ」
この後、彼が帰ってくることはなかったという