穢れた聖地巡礼について

取り敢えず思ったのは背筋さんオムニバスうめ〜〜！！でした。
読み口が大分違うので近畿地方を期待して読むと違うな…ってなるけど面白かったです。衝撃とか怖さでいうと近畿地方が勝つかな。キャラクターの立ち方とか小説として面白い。割とヒトコワ寄りというか…じわじわ来る感じ。けど読後すぐ後にこれ書いてるのでのちのちよく考えたら刺されそうですね。ホラー系のTRPGシナリオ好きな人は好きそう(偏見)私がまれびとこぞりてしかホラーシナリオやったことないのであてにならないですけどね。
前作の袋とじでも思ったけどカラー使うとこの解像度の高さがいい。チャンイケファンブックのやつ読むゾゾゾで似たようなの見た。妊婦絵のホテルとか明らかに某セリーヌが基だよなぁ。巨頭オとかインターネット怪談好き勢が想像を膨らませやすいのがターゲット層しっかり刺しにきてますよね。背筋さんはリアリティを出すのが上手いな〜って思います。近畿地方が流行ったのもそれが原因だと思ってるので。というかインターネット発の怪談はリアリティなさすぎるとボコボコにされますからね。
小林の良くも悪くも大人になってしまったおじさんって感じのキャラいいですよね。割り切ってエンタメを届けるために、生きるために踏みにじる覚悟をしてしまった人。こんな綺麗な書き方すべきではないかもしれませんが個人的にこういうキャラ好きだなって思ったので…。池田くんは輪廻の中にいるってことでよさそうかな…。憎んで他者を殺そうとしてたし、片親だったし。ショートカットの女性がめっちゃ出てきて読者側が深読みしたくなるのも池田くんの追体験なのかな…。宝条さんも冷酷であろうとするけど情が捨てきれない人だな〜って。霊を祓えないのは哀れみだと私は解釈しているので。キャラがすごいいいので幸せになって欲しいなって思っちゃう。
あとかわいそ笑の評判があんまりよくないこととか今作で背筋さんがこの方向に舵を切ったのを見ても読者を直接殴るのはwebかリアイベの方が相性いいのかなとか思いました。(かわいそ笑は大分ぶん投げてるのが悪い部分もあるとは思う)今作は動線があって池田くんの末路がわかりやすいとはいえ、伸びやすいのは近畿地方スタイルだろうなとは。