![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/172117476/rectangle_large_type_2_45e6671a96b9c0c252b40298af794a30.jpeg?width=1200)
NO.12 炭豚の好きな食べ物
豚だけではなく、人間もそうですが好き嫌いがあると思います。意志がわかるわけではないのですが、副産物を与えている中で感じた好きな食べ物を少しまとめてみます。
大好物は食べる勢いが違う。
好きな食べ物と言っても、好きです!なんて言葉で伝えてくれることはないのですが様々な加工品から製麺、茹でうどん、茹で蕎麦、小豆、くず米、大豆、おからなど本当多品目を与えていました。
その時々に出る種類次第ですが、20種類程度の食べ物を与えることができました。
完全に僕の主観ですが、
好きだと思うランキングを発表します。
No.3 製麺・ブロッコリーの茎
これは同率3位ではないでしょうか。
製麺所から出るラーメンの茹でる前の”製麺”は非常に好みで、製麺所としては少し余剰分として製造していたり、製麺の過程で落ちてしまった麺、物産展などにって送り戻しを冷凍していた麺などを頂いて飼料として与えておりました。
一食ずつを手で投げ入れていたのですが、遠くに投げて、近くに投げて、全頭を見ながら動きの変化や順番に与えていましたが一瞬で食べてしまうほど。
ブロッコリーの茎は、10キロ程度を箱を逆さにして餌箱に入れておりましたが永遠に食べています。
水分量も多いので結構な頻度であげていましたが食べない豚さんたちはいませんでした。結構な人気でした!
![](https://assets.st-note.com/img/1738124541-Vp8hFtZHmCWnrSjqEk5uy7wM.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1738124557-9oYPGgqy7zK064usHLInTAVw.jpg?width=1200)
隣の米飯製炭所さんの粉炭が顔に!
![](https://assets.st-note.com/img/1738124721-LMfvX1sWgEGVYzyImFcZ8ubl.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1738124750-awQyom6HObineLExATP8NpvD.jpg?width=1200)
このように寝ながら横着して食べる豚も多数。
No.2 ゆで麺、茹で蕎麦、茹でうどん、アスパラガス
やはり水分量なのか、食べやすいのか茹で麺は取り合いになっていました。
蕎麦やうどんなどの茹で麺は必死の取り合い。
水分量が多いから腐敗の心配もあり、集荷した餌の中でも最優先であげていましたが。。。豚さんたちも最優先で駆け寄ってきて食べておりました。
アスパラガスは食べてほしいアスパラギン酸を摂取してほしい、、、そんな思いから東神楽の吉原農園さんからも週に三回ほど頂きにいっておりました。大坪農園さんと二ヶ所からたくさんのアスパラを。
長さを調整して出た下の土に近い部分で多少硬くなっている部分。
コンテナごとにごそっと逆さにすると一気に駆け寄ってくる姿は愛くるしい格好です。
水分量が多いと食べやすいのでやはり人気です。
回収する時点から夏だと特に腐敗しやすい食品ですが、回収後にすぐに与えておりました。順番も色々と考えながら。。。あまり考えたことがなかったことを考える。そんな牧場生活は頭もフル稼働。
なんてったって、
No.1 酒粕
酒粕が大好物というのを知らなかったです。笑
東川町には”三千櫻”さんという酒蔵があります。社長のご好意で春から秋まで(本格的なのは秋)ですが、春の絞りなどの際に出る酒粕もいただきながら飼料として
与えてきました。
ものの見事に争奪戦、ある意味豚の戦争が
始まるのです。
豚の酒粕争奪戦の時に初めて豚の鳴き声(奪い合い)を聞いた記憶があります。
酒粕を持って歩いていると常に付いてきます。笑
![](https://assets.st-note.com/img/1738129008-rVotTSJ3DCpwh5xFEmHzPKqZ.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1738129039-zAC2K6V1q0mkhwigMrLntF8b.jpg?width=1200)
最後にしか与えられないほど、他のものを食べなくなるので”デザート”として与えておりました。
全て飼料を与えた上で、酒粕を与えても鋭い食いつきで僕に迫ってきます。殺気すら感じております。
番外編
![](https://assets.st-note.com/img/1738129154-Vb8DCY2kmXJnaMHyGz3KUu5r.jpg?width=1200)
にんじん乾燥
このように加工段階で少し変色があったり、後は試作などの商品も頂いております。有機あずきなんて、、、多分、養豚界でもここまでの多品目を食べている豚はいないだろうな?と思いながら幸せな気分で餌をあげてます。
![](https://assets.st-note.com/img/1738129245-8fV0sO4yBAtpJEHPeZ1XwI2S.jpg?width=1200)
秋になると収穫物の加工が入るので、本当に色とりどりに頂く。
栄養価もそうですが、色彩も素敵で加工場や農家さんから頂く事に心から感謝しています。
くず米や加工の方が栄養素の吸収が良い!
そもそも、養豚に関する飼料は
トウモロコシや大豆などの穀物を主成分として育つのですが、
豚は本当に食欲旺盛で、口に入ったらすぐに飲み込む丸呑みに近い捕食行動です。
よく噛んで食べて!なんて指導もできないので、
4m程度の腸内を通り抜けて排便となりますが、人間と一緒で腸内で栄養を得る仕組みになっております。
そんな中で、くず米(未熟なお米)やキズ物などは最初から傷や柔らかいものが多く腸内で吸収しやすい状態なのです。
なんとも理にかなっており、豚の腸内で吸収されやすい状態での餌に向いているのがくず米や加工段階の食べ物を与えられることがやはり豚にとっても人間社会にとっても良いことなのではないか?と思っております。
製品になるものは人間が得て、製品にならないキズや未熟なものを与えて食肉にしていくという考え方が僕は腑に落ちました。
No.13 なぜ副産物を与えるのか?既存飼料との違い
に続く