【独学精神医学#1】脳の基本構造と障害の関係性
普段は大学で視覚などの感覚機能や情動などについて勉強しているのですが、少し時間に余裕ができて独学で精神医学を学んでみたいなと思ったので今日から色々まとめてみることにしました。
気になったこと、大事だと思ったことのみアウトプットしていく形です。
第1回目は、脳(特に大脳)の基本的な構造と障害の関係性をまとめてみました。
大脳とは?
脳は大脳・間脳・延髄・橋・小脳と様々な部位に分類することができますが、最も大きい体積を占めているのが大脳です。
大脳は高次機能を担う領域を多く含んでいます。我々ヒトは、他の動物に比べて特にこの大脳がとても発達しているそうです。
大脳を2分割|大脳皮質と大脳髄質
大脳は、主に以下の2つの構造に分けることができます。
図のピンクの部分、大脳皮質(灰白質)では、神経細胞が密集しています。その名の通り、白っぽい灰色をしているのが特徴です。
一方白い部分の大脳髄質(白質)には、神経細胞同士をつなぐケーブル「軸索」がたくさんあります。この部位も名前の通り、白っぽい色をしているのが特徴です。
大脳皮質を3分割|新皮質・旧皮質・古皮質
ピンクの部分:大脳皮質(灰白質)はさらに新皮質・旧皮質・古皮質に分けることができます。
新皮質は外側の表面を、旧皮質と古皮質は内側を占めています。
特に新皮質は、「新」という漢字からもわかる通り進化の中で新しくできた部分で、合理的・分析的思考や言語能力などの高次機能を司ります。
大脳新皮質を4分割
大脳新皮質は前頭葉・側頭葉・頭頂葉・後頭葉の4つに分けることができます。ここからは、それぞれの役割についてまとめます。
➀前頭葉
前から順に前頭連合野・運動前野・運動野の3つに大きく分けられます。
それぞれの役割は以下の通りです。
前頭連合野:意思決定、計画、問題解決、社会的行動。
運動前野:動作の計画や準備。運動の順序やタイミングを調整。
運動野:筋肉の具体的な動きの制御。
前頭葉を損傷すると、日常生活で複雑なタスクを遂行することが難しくなる「遂行機能障害」、興味や意欲が著しく低下し様々な活動に対して無関心になる「アパシー(無気力症)」、言葉を話す際に必要な筋肉を制御できず流暢に話せなくなる「運動失語」などが起きることがあります。
他にも、感情の制御が効かなくなり突発的な怒りや衝動が増える「人格変化」が起こるということが知られています。
➁側頭葉
記憶や言語に関連する領域を多く含んでいます。
利き手側の側頭葉を損傷すると、「顔や物、風景を見てもこれがなんだかわからない」といった視覚性記憶障害が起きてしまいます。
一方利き手と反対側の側頭葉を損傷すると、「人や物の名前、会話の内容を忘れてしまう」といった言語性記憶障害が起きてしまいます。
また、側頭葉内部には海馬や扁桃体がありますが、特に海馬の委縮はアルツハイマー病と関連があります。
➂頭頂葉
主に身体の様々な部位からの感覚情報の統合を担います。ただ、他の3つの領域に比べると、未だ機能がよくわかっていないそうです。
頭頂葉を損傷すると、言語の理解や表現が困難になる「失語」、目的に沿った動作を計画・実行できない「失行」、視覚や聴覚などの感覚情報を認識できない「失認」といった高次機能障害が起きやすくなります。
④後頭葉
視覚情報の処理や、視覚的な記憶や視覚に基づく判断を行っています。
後頭葉を損傷すると、視覚情報を認識する能力が損なわれる「視覚失認」、視野の半分が見えなくなる「同名半盲」、色を正しく認識できなくなる「色覚異常」などといった障害が起きてしまいます。
まとめ
今回のまとめは、以下の通りです。
図を作ったり色々調べてまとめたりするのは大変ですがやっぱり楽しいですね。(笑)
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました!
これからも色々アウトプット事項をまとめていきますので、ぜひ次の記事でお会いしましょう!
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