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くるり『THE PIER』(2014):3.11を経た世界で鳴り響いた日本のポップミュージック

通算11枚目のオリジナルアルバム。
どこの国の音楽だか分からない。どこにも無いかもしれないが、有るかもしれない。国の概念では存在しない場所で鳴っている音楽。
ポップミュージックにおける、無国籍性音楽の先駆けとして、The Beatles『Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band』が金字塔を打ち立てているが、このアルバムはその系譜にある。
雷雲が空を覆う景色から、雲を割くように闘い、光を差し込む。人を想い、旅立ち、希求し、敢然と決意を歌い鳴らす。
何度でも私たちはあなたと出逢い直すのだ。
3.11を経て、かつ時代も場所も飛び越えて、新たな地平へ「いくとこまでいく」という強い意志と、くるりらしい人肌を感じさせてくれる、音楽的野心に満ちた傑作。


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