渚フミ

『浅瀬でブギー、時には泳げよ。』とnote上のタイトルを冠します。 プロフィール画像は…

渚フミ

『浅瀬でブギー、時には泳げよ。』とnote上のタイトルを冠します。 プロフィール画像は、私が敬愛する、漫画家の杉浦茂さんのイラストから使わせて頂きました。展覧会に訪れた際に、「生きてるだけでいい」と、涙が溢れる程に強く感銘を受けたことが鮮明に思い出されます。

最近の記事

つぶやき日記と一曲。

自由て難しい。 ある事を型にはめると、そのぶん他の事が自由にできるのでは?と思ったが、現実は、型にはめている労力と、そのストレスと疲弊感を解消することにエネルギーを使い、自由に振る舞えていない。 そもそも、型にはめなくてはいいのでは?という問いもあるが、何か自由と無責任を履き違えるような気がして、振り切れない。 今より若い頃は、そんな事気にせず、もっとのびのびしていたような気がするな。 中年の罠か。自分の問題か。 どないしよー。 「ヒップホップの経年変化」聴こか。 経年変化

    • 日記(備忘録)|人生いろいろ。音楽いろいろ。

      秋の気配が漂ってきましたね。 皆様、いかがお過ごしでしょうか。 例年だと、急に寒くなりますが、今年は秋が少しでも長く在って欲しいものです。 季節のグラデーション、欲しいですよねー。 本記事は、一つの記事にまとめきれなかった最近の出来事を自分にとっての備忘録として記しておこうと思います。 なんだか今月は忙しくて、記事が作成できませんでした。。 「んなもん、興味ねーわ!」 はい、その通りです。 お時間ありましたら、お付き合いなさって下さいませ。 m(_ _)m * ・先日、

      • みじかい詩|wondering, just dance

        あれからどのくらい歩いてきたのだろう 証拠があればいいのに きみの歌はか細くなって 狂騒の季節の進化形はなんだろう 指標があればいいのに 残響だけがそこには在って 見当違いだな 連れていってはくれない 自分次第だな ジャングルの中で私は王様 諸行無常の生を営む 永遠たるものに目を凝らす できることなら旗を掲げたい スマートに繋がることができれば なんと素敵なことだろう できることなら丁寧に線を描き繋げたい 仕様がないな なんにもないところに なにもかもがあるのだろ

        • エッセイ|Waterproof Ballet

          「この世に永遠や絶対など存在するのだろうか。」 そんなことなんて、これまでろくに考えたことがなかった。 「永遠」という言葉に触れる度に、信じきれない自分がいた。 現実は、諸行無常であり、訪れる事象に一つ一つ対応していくまでだ。 右往左往しながら、時に痛みを伴うことだって、涙を流すことだってある。 人が懸命に生きるということは、永遠や絶対など存在しないかのような諸行無常の中で行う営みであり、それは儚くも美しいことだと思う。 そのような時に、芸術や豊かなことを探し求めようと

        つぶやき日記と一曲。

          みじかい詩|right light

          やけに鬱屈とした夜 ジョーストラマーの言葉を思い出す 月に手を伸ばせ たとえ届かなくても 私の部屋からは月が見えない 私を照らすのは電球の光だ この光の中で 今宵私は何に手を伸ばすのだろう 窓の外に目をやる きっと月光が私たちを照らしてくれているだろう ロックンロールが足りない それは正しい光に思えた

          みじかい詩|right light

          みじかい詩|さりげない朝

          休日の早朝に目が覚める 昨晩はゆったり寝たのに 今朝はたっぷり眠っていたかったのに 外は雨降り 雨は写真に映らない 小窓からは 走る車や傘をさす人 ナチュラルなアヴァンギャルドにアンビエント リフレインする雨音 湿った車走音 ふとあの本が読みたくなる SFと純文学が交差するあの小説 机にぽんと置いてみる こんな朝はさりげない

          みじかい詩|さりげない朝

          美術館のガレージパーティに行ってきた。

          先日、美術館のガレージで行われた、DJパーティに行ってきた。 会場は、千葉県佐倉市立美術館のガレージにて。 (なんと美術館だけではなく、佐倉市も協賛とのこと。佐倉市すげーぜ。) なんかもう「ガレージパーティ」という響きだけで、胸踊る。 会場の雰囲気はこんな感じ。 (人数は20〜30人程。) イイですね〜。 この打ちっぱなしのコンクリ壁面とレンガフロア。 ライブハウス、クラブハウス、バーなどでは味わえない雰囲気だった。 DJパーティ(音楽イベント)の会場が市立美術館で

          美術館のガレージパーティに行ってきた。

          掌編|ほのかな出逢い

          「どちらからいらしたのですか?」 菅谷龍介は答える。 「千葉県の小沼町というところです。」 菅谷が、小池朱美と初めて交わした会話である。 それは、お互いの知人が主催する小規模なDJパーティでのことだった。 菅谷はバーテンがセレクトした、甘みのあるベルギー産のビールを片手に。 小池はその店特製のジンを使用した、ジントニックを片手に。 二人は、共通の知人がいるものの、初対面だった。 それから、二人はたわいのない会話を交わし、パーティに戻っていった。 その後、二人は出会うことは

          掌編|ほのかな出逢い

          みじかい詩|The Edge Of The Coin

          コインの縁を歩く 一見異なる思想でも やり方が同じなら それはコインの表と裏の違いに過ぎない 何も変化は生まれない 広い面を歩いていれば楽だろう コインの縁を歩く ぐるぐると孤を描きながら 水平線を眺めながら 丸い地表を踏みしめる 太陽系の惑星が周回する うねりを上げるエレキの残響

          みじかい詩|The Edge Of The Coin

          The Revolution Will Not Be Televised

          戦争も内戦も終わらない。 社会システムはおかしい。 かつて、忌野清志郎は、ライブの最中、ジョン・レノンの「Imagine」のカバー曲を演奏する前にこう言った。 「おい、全然世界は平和にならないじゃないか。戦争がずっと続いている。21世紀になったのに。21世紀になったら、世界が平和になると思ったのに。ますますひどくなってる。」 https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=QnKykvIp4Yg&embeds_referring_

          The Revolution Will Not Be Televised

          Four Tet『Three』(2024):ただ音楽

          通算12枚目のオリジナルアルバム。 フォーテットは、今やエレクトロニカの代表格と呼べるミュージシャンである。 本作は、エレクトロニカを基調としながらも、ブレイクビーツ、アンビエント、ダンス、フォークトロニカ、ミニマルテクノ、ダウンテンポ、シューゲイザーなど、多彩な音楽的要素で彩られた、一大音楽絵巻のような作品となっている。 これだけ様々な音楽的要素を取り込むと、取り散らかったアルバムになりそうなものだが、ドリーミーでメランコリックなイメージで統一された広大なサウンドスケープと

          Four Tet『Three』(2024):ただ音楽

          音楽日記|はっぴいえんど『HAPPY END』(1973)

          ふと、はっぴいえんどが不意に聴きたくなって、とても久しぶりに本作を聴いてみた。 新鮮かつ豊穣な響きと歓びをもって、私の耳を、感覚を満たしてくれた。 やはり、現代においてもはっぴいえんどは偉大だった。 通算3枚目のオリジナルアルバムにして、最後のスタジオアルバム。 私はこのアルバムが好きだ。 1作品目の『はっぴいえんど』(通称「ゆでめん」)は、「日本のロックを確立させるのだ」という音楽的野心が溢れる斬新なアルバムだった。 最高傑作と名高い、2作品目の『風街ろまん』は、その志向性

          音楽日記|はっぴいえんど『HAPPY END』(1973)

          みじかい詩|部屋

          部屋をめいっぱい使う 普段あまり寄りかからない柱に身体を乗せる 開け放った小窓から入り込む夜風 メロウなビートに丁寧な韻 電子タバコをふかし 心の凪に目を凝らし 求めている 私の中の小さなユリイカ

          みじかい詩|部屋

          宇多田ヒカル『SCIENCE FICTION』:宇多田ヒカルにとっての創作とはSF的な行為なのか?そしてアインシュタインの手紙。

          宇多田ヒカルが初のベストアルバムをリリースした。 以下、ご本人のインスタグラムの投稿より、省略や絵文字の代わりの句読点も入れさせて頂きながら、コメントを抜粋したい。(原文をお読みになりたい方は、ご本人のインスタグラムをご覧下さい。) 「ただのヒット曲のコンピレーションじゃない、過去があっての今の私が伝わる特別なアルバム。新たなミックスで生まれ変わった10曲、トラックも歌も全部作り直した新録の3曲と、そして大好きな新曲の「Electricity」。楽しんでもらえるといいな。

          宇多田ヒカル『SCIENCE FICTION』:宇多田ヒカルにとっての創作とはSF的な行為なのか?そしてアインシュタインの手紙。

          相対性理論『調べる相対性理論』(2019):惑星づくり

          通算5枚のオリジナルアルバムを経ての、初のライブアルバム。 相対性理論の集大成ともいえるが、その域を超えている。新作と呼んでも良い程、サウンドが変化・進化している。新たな相対性理論の音楽的アティチュード。 ノイズミュージックや即興・実験音楽を消化したポップネス。 世界に向けて、忽然と現れて鳴らされている音楽。堂々と姿勢を律して、世界と向き合う覚悟が決まっている音。 センチメンタルなハードSFの様相を呈した、やくしまるえつこの歌詞の世界観と相まって、愛で光も影も包んで、まるで別

          相対性理論『調べる相対性理論』(2019):惑星づくり

          星野源『POP VIRUS』(2018):今を創り、未来へと歩き出す勇気と愉楽をもたらす新たなスタンダード

          通算5枚目のオリジナルアルバム。 大江健三郎云うところの「想像力の勢い」が喚起される作品。 歌詞、メロディ、ビート、リズム、構成が多彩に織り成す音楽。 生きることは、「歌い、踊ること」と同義であること。人が豊かな生命力を喚起させ、サヴァイブしていくこと。先人たちのたすきを抱いて、繋いでいくこと。 普遍的でありながら、価値観の深化と進化を促すような感覚。 ポップとオルタナティブを見事なまでに両立して、融和させ、昇華している。日本の新たなポップミュージックのスタンダードとなり得る

          星野源『POP VIRUS』(2018):今を創り、未来へと歩き出す勇気と愉楽をもたらす新たなスタンダード