夜行列車で盗難にあってしまった話
挨拶
はじめまして。gravkeeperと申します。僕のTwitterをフォローしている人は、おそらく数年前までしていたカードゲーム関係の人が大多数と思います。ただ、僕自身、数年前に進学+転居の都合でカードゲームを辞めているため、今回の記事は全く違う話題についてになります。ご了承ください。
今回の記事は、友人(Aくん)と卒業旅行(パリ,ウィーン,ベルリン,チューリッヒ,シンガポール)をしていましたが、そのときに利用したナイトジェットでAくんが盗難にあってしまったので、そのことについて書きたいと思います。
はじめに
ナイトジェットとは、オーストリア国鉄がメインで運行する夜行列車で、ウィーンやザルツブルクといったオーストリアの都市を中心にヨーロッパ各都市を結んでいます。
今回、利用したのはパリ〜ストラスバーグ〜ミュンヘン〜ザルツブルク〜ウィーンの路線です。
ナイトジェットには、座席、クシェット、個室の3種類のランクがあります。
座席はハリーポッターのような個室の向かい合わせの席
クシェットは昔の寝台列車の開放式B寝台
個室はJRのサンライズ出雲・瀬戸の"シングルツイン"のような感じです。
今回は個室を選択しました。
1日目の夜
3/3、19時ちょっと前に始発駅であるパリ東駅からナイトジェットに乗車し、旅は始まりました。パリ〜ウィーンのナイトジェットは週数回運行で、(おそらく)旧型の車両が使われているため、20年前ぐらいのブルートレインのような感じでした。
早速、部屋に入ったのですが、ウェルカムドリンク,ルームサービスのメニューとオーダー用紙,部屋のカードキーが置いてなく、車掌室まで取りに行くことになりました。その後は、夕食をとり、シャワーを浴びて、日付が変わった頃に就寝しました。ビジホの様にオートロックだったため、特にチェーンロックなどは掛けずにいました。
2日目の朝
翌朝、7時ごろにAくんの声で目が覚めます。「現金と財布が無い……」
Aくんによると、カバンから現金(70ユーロと15万円)と財布が無くなっていて、クレカや免許証といったカード類が枕元に置いてあったそうです。僕らは部屋をひっくり返して探しましたが見当たりません。「盗まれた…」という疑問が確信に変わりました。
ちょうど朝食を運んできた車掌に事情を話しました。
「部屋の中にいたのに盗まれるなんて信じられない」と言いながら、車掌室に帰って行きました。
「いや、マスターキーで中に入れるお前が一番怪しいけどな」と、僕らは言いながら、クレカの番号とセキュリティコードを見られているため、クレカを停止させようとカード会社へ電話をかけました。
そうこう電話していると、車掌があるフランス人のグループを連れてきます。グループは中高年の男女+青年ぐらいの男女の計4人でした。簡単な英語やGoogle翻訳(フランス語⇔日本語)を使いながら、最年長の男性(Bさん)と話してみると、
「自分らも盗難にあってしまい、ウィーンに着いたら、国鉄のカスタマーセンターとウィーン警察に行くけど、一緒に行動しないか?」
というようなことを持ちかけてきました。もちろん了解し、ウィーン中央駅に着いたら合流することを約束します。
到着後
ウィーン中央駅はEUでも上位の大きさの駅らしく、プラットホームで彼らと合流した後に、カスタマーセンターを探すのにも少し時間がかかってしまいました。Bさんが代表してカスタマーセンターで話をしてきますが、特に話が進むわけでも無く、10分後ぐらいに帰ってきて、
「どうしようもなさそうだけど、僕らは一応警察署に行くよ。君らはどうする?」
と確認してきました。
被害が現金(+旅行用の財布)だけで、クレカやパスポートは無事であること
警察に被害を届けても返ってくる可能性がほとんどゼロなこと
その日の夜の電車でベルリンに移動するため、警察で時間をとられると観光する時間が無くなってしまうこと
この3点から、警察には行かず泣き寝入りすることを僕らは決めて、Bさんグループと別れました。
以上が事の顛末になります。
疑問と反省
振り返るとおかしかった点、改善すべきだった点について書きたいと思います。
まず最初に、カードキーが無かったことです。ドアはオートロックなので、発車前は開いており、おそらく中に置いてあったのだと思います。それを予め盗っておけば、チェーンロックなどを掛けてない部屋ならばいつでも入ることが出来るようになります。
僕らは、車掌が部屋の説明時にカードキーを渡しに来ると思っていたので、特に不審には思わなかったです。また、ウェルカムドリンク,ルームサービスのメニューとオーダー用紙,部屋のカードキーの全てを車掌が渡してこないで、自分たちが車掌室に出向いて受け取ったため、普通にサービスが悪いだけだと思っていました。ただ、今考えるとあり得ないことだと感じます。
次に、オートロックを過信してしまった点です。在室中のオートロックの部屋に盗みに入るなど、(最近はそういう強盗が話題ですが……)日本ではあまり考えられない事案です。ビジネスホテルでチェーンロックまでしっかり掛けている日本人は何人いるでしょうか。しかし、欧米では二重ロックは当たり前にしなければいけないことでした。
現金(貴重品)を一纏めにして、目立つところに置いていたのも問題でした。Aくんはサイドポーチに貴重品をまとめて入れて、外出時はそれをずっと肩に掛けていました。しかし、部屋にいるときはコート掛けにコートと一緒に掛けて置いてました。同じ部屋の僕の財布はパッと見では見えにくいところに置いてあったため、無事でした。
また、EUではよほど小さな屋台でない限りクレカが使えます。現地のほとんどの人はVISAやMastercardのタッチ決済
を使っていましたし、店員にカード決済と言うと、タッチするように促されます。今回の旅行で現金が必要になったシーンは
コインロッカーに荷物を預けるとき
トイレを使うとき(基本有料)
simカード購入
の3回ぐらいで、ロッカーとトイレは硬貨でないとダメ、simカードはクレカで買うと継続プランに勝手にされて永続的に課金される恐れがあるので現金で購入しました。日本で200ユーロ両替しましたが、半分ちょっと残っています。(自分の持っているMastercardがタッチ決済に対応しておらず、タッチ決済しか使えなかった店で少し現金を使いました。)
基本的に、現金などはホテルなどでは金庫に入れて、必要最小限を持ち歩くべきです。また、長距離移動するときも基本は鍵のかかるキャリーケースやコインロッカーに入れて、身の回りには少額の現金だけを持つようにしましょう。
最後に、気の緩みがあったと思います。めちゃくちゃ治安の悪いと言われる、パリのMETRO&RERを2日間使い続け、数回のトラブルを乗り越えてきたため、完全予約制で比較的治安のいいと言われていたナイトジェットの個室に対する防犯意識が緩んでいました。最低でも、キャリーケースのロックは掛けて、チャックで閉めれるバッグを体の前面に保持しておきましょう。自転車用のワイヤーロックやチェーンも使う頻度があるので、100均とかで1つ買っていくと役に立つと思います。
まとめ
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。今回、あまり体験出来ない(したくない)出来事を経験してしまったので、Noteを書きました。
事前にネットにある乗車記などを読み、前情報を仕入れてから乗車したのですが、被害にあってしまいました。
オーストリア国鉄が主体となって運営していることや、予約無しでは乗れないことから、パリやベルリンの市内交通機関に比べたら治安がいい感じがすることは間違いないです。ただそれでも、途中駅での長時間停車や他車両からの移動などがあるため油断してはいけません。
もし今後、乗車予定の方がいれば、本記事を読み防犯意識を高めてもらえると幸いです。
最後になりますが、計17万円の被害にあってしまったAくんのために有料部分を設けようと思います。
内容としては、パリのMETRO+RERで体験したいくつかのトラブルについてです。
1000字程度の雑感のような内容ですが、もしよろしければ購入していただけると幸いです。
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