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結果が出ない広報PRとは?

今回は、私がこれまでの経験から学んだ「結果が出ない広報PR」について、少し掘り下げてお話ししたいと思います。

広報PR活動って、思ったより奥が深いんですよね。
メディアを巻き込んだ広報PR活動、SNSを賢く活用したPR活動って、簡単に思えるけれど、やってみると意外と難しいもの。

そして、一気に爆発的な結果が出るものではないので、
短期的な目線で活動しているとモヤモヤしかしなかったり・・・

なので今回は、時にはじれったい思いが強くなる広報PR活動について、結果が出ないパターンを5つのテーマに分けて解説しようと思います。


 1. 一回のPR活動で諦める


まず、PRを一度試みて結果が出なかったからといって、そこで諦めてしまうのはもったいないです。
私も以前、実際に一年半かけてメディアとコンタクトを取り続けて、ようやく取材の機会を得たことがありました。

この経験から学んだのは、広報PRの活動は「機会を待つ」ことが必要なこともあるということです。


一度目のアプローチで反応がなかったとしても、それは「今はタイミングが合っていない」だけかもしれません。
メディア側のスケジュールや関心のあるテーマが変わることもありますし、時代の流れや市場のトレンドによって、後々あなたのコンテンツが注目されることだってあります。

メディア側も、タイミングを図っているんです。
そのため、諦めずに何度もお声がけしたり、時流に沿った切り口を新たに探して再アプローチことが大切です。

なので、一度のアプローチで成功しなかったからといって、それが失敗というわけではありません。
むしろ、広報活動においては長期的な視点を持つことが重要。しつこいと思われない程度に、適切なタイミングで再度アプローチを試みることで、良い結果を引き寄せる可能性が高まります。

実際に1年半越しに取材を受けた時の様子。感慨深い!


2. プレスリリースを一斉配信している


たまに時短効率を求めてプレスリリースをFAXやメールでメディア各社に一斉配信している企業さんを見聞きします。
それでたしかに「数撃ちゃ当たる」こともあるかもしれませんが、実際は広報PRの本質を見失っていると言わざるを得ないと思っています。

例えばこれは、学生時代にクラス全員に一斉に同じラブレターをばらまくようなものだと私は思っています。
特別感がなく、誰が本命かもわからない。どの相手の心にもまったく響かないですよね。


メディアはそれぞれ独自の読者層や関心を持っています。
一斉配信されたプレスリリースが記者の目に留まる確率は低く、むしろ個別に丁寧に作成されたプレスリリースが心に響くものです。


たとえ少数のメディアに送る場合でも、それぞれに合わせた内容を考えることで、より効果的なPRが可能になります。
そこに「この内容は●●社の△△記者にぜひ取材してほしい!」という一文が理由とともに添えられていたら、心を動かされない記者さんはいないのではないでしょうか?(実際に取材に動くかどうかは別として)。


私も実際、ターゲットをかなり絞り、そのメディアに合った内容でリリースを作成し直すことで、取材依頼をいただけた経験があります。

大切なのは、数ではなく質です。相手が「これこそが自分たちの読者にとって役立つ情報だ」と感じてすぐに取材に動いてもらえるようなプレスリリースを提供することが、広報PR活動の成功への近道です。

プレスリリースや献本は、1社1社丁寧に(わかれば個別の記者宛に)送っています。

3. PRの要点を一言で言えない


PR活動において、自分の伝えたいメッセージが一言ではっきりしていないと、他者にその魅力を伝えることは非常に難しいです。
特にメディア関係者は常に忙しいので、一瞬で理解できる要点が求められます。

例えば、あなたがPRする商品やサービスの魅力を一言で表現できるでしょうか?この「一言」が、あなたのPRの成否を分ける重要なポイントです。

※「一言」=USP、のほうがわかりやすい人もいるかもしれませんね。

この「一言」は、わかりやすく言うと、一文の文章で、一呼吸で言えるくらいのコンパクトさがあるととても良いと思います。
そこまでコンパクトに、自分の中でしっかりと整理してからPR活動を始めると、そのメッセージは自然と相手にも伝わるものです。


たまに広報PRの同業者に会った時、お互いが今サポートしているクライアントの話をすることがあるのですが、
その時に「今のお客様のサービスは・・・はくぉうfjんvをいんbうぇrm・・・」と長々と話されると、知り合いでも疲れてしまう。苦笑

なのでメディア関係者も、一瞬で忘れてしまうと思うのです。


「うちのサービスは日本で唯一の●●×△△を提供しています」
「こちらは千葉県産の●●と△△を使った、今までにない新しい★★です」


これくらい一言で、メディアの興味を引くPRポイントがサッと伝えられるようになると、あとは相手からさらに聞きたいことをその場で聞いてもらえたり、次に繋がっていくようになります。

また、この要点がはっきりしていることで、メディア側も記事として扱いやすいんです。なので結果的に、あなたのPRが取り上げられる可能性が高まるのです。

USPが定まっていないと、広報PR活動の成功確率はかなり低いかも・・・


4. メディアの特徴を把握してない


PRを行う際に、そのメディアの特徴や傾向を理解していないのも、結果が出ない理由の一つです。
それぞれのメディアには、独自のスタイルや読者層があり、それに合った内容でないと取り上げてもらえません。


例えば、ビジネス系のメディア(コーナー)に対してライフスタイルに関するリリースを送っても、関心を持たれることは難しいでしょう。
逆に、同じ内容でも、ライフスタイルメディア(コーナー)に送れば、その特徴に合った内容として受け入れられる可能性が高まります。

同じ例で、最近はよく書籍の献本PRも担当することがあるのですが、ビジネス系の書籍を献本するのに、小説の新刊紹介しかしていない雑誌に送ったところで結果は同じです。


新聞者にプレスリリースを送るのも、社会部なのか経済部なのか、それとも文化部なのか・・・
せっかく良い内容のプレスリリースを作ったとしても、文化部向けの内容を経済部の記者が受け取っても、0.2秒でデスク脇のゴミ箱行きです。


私が成功したPRの一例では、特定のメディアが扱っているテーマやトーンを十分にリサーチして理解した上で、プレスリリースの内容を微調整。
その結果、編集者の方から「これはうちの読者にピッタリだ」と電話をいただき、取材・記事として取り上げてもらうことができました。

あなたはどの雑誌のどのコーナーに取り上げてもらいたいか、決めていますか?


5. メディアの影響力を利用したい


最後に、メディアをただ単に「利用する」姿勢が見え隠れする場合、広報PR活動はうまくいかないことが多いです。

メディア関係者も人間です。そして当たり前ですが、皆さん賢いです。
自分たちが利用されていると感じると、取材が決まっても一瞬でポシャることだってあります。


広報PR活動は、メディアとの信頼関係を築くことが基本中の基本です。
メディアを利用するのではなく、共に世の中に新しい価値を生み出すパートナーとして、長期的に関係を築くことが大切であり、あなたの提供する情報が、メディアの読者にとって有益であり、日本社会にとって価値があると感じてもらえるようにすることが重要です。


最近懇意にしているWebメディアの記者さんと、つい最近2人でランチした時にたくさんの情報交換をさせていただいたのですが、記者さんは自社メディアのアクセス数やコメント数、そしてその先の世間の動きなどをつねに気にされていました(ランチ中もアナリティクスを見るほど!)。

そこで教えていただいたのが、記者さんも仕事柄、さまざまなジャンルの流行にはかなり敏感ではありますが、それでも知らないこと、気づいていないことはたくさんあるということ。


例えば、こちらが持ち込んだネタをニュースとして取り上げる時に、
「単語1つでも「この業界ではAという単語よりBのほうが、最近はキャッチーなんですよ」とスマートに(ここでメディアの方の尊厳を傷つけるような言い方はNG)教えてもらえると、それだけでアクセスの伸びが結構変わってくるからありがたい」
とおっしゃっていました。


そうなんです。メディアの取材記事やニュースは、報道する側とされる側の双方の協力があって作り上げるもの。
こちらからも全面的に協力する姿勢を見せることで、信頼関係も構築でき、メディア側へも貢献でき、もしかしたらさらなる取材にも繋がっていくという、まさに信頼関係で成り立つ仕事なんです。

だからこちらだけ「得をしよう!」という心構えは絶対にNG。
お互いに気持ちが良い仕事をしていきたいですよね。

結論:PRは量より質


総じて言えることは、広報PR活動においては「量より質」が重要だということです。

大勢に一斉にメッセージを一回だけ送るのではなく、一人ひとりのメディアに対して丁寧に繰り返し対応することで、相手に振り向いてもらえる可能性が高まるということ。

そして個と個でつながるにはやっぱり信頼関係に重きを置き、まずはGiverの精神で対応すること。

メディアの力を利用しようとするのではなく、こちらもメディアに全面的に協力姿勢を見せること。

これらを徹底して地道に動いていけば、長期的な成功に繋がるはずです。


広報PR活動は一朝一夕には結果が出ないことが多いので、途中で投げ出したり諦めてしまう企業や担当者もまぁまぁ聞く話ですが、焦らず地道に続けることで確実に成果を上げることができます。

どうか、短期目線ではなく長期目線で、年単位でじっくりと取り組んでみてください。
きっと、あなたの努力が実を結ぶ日がやってきますよ。

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