乃木坂46と秋元康
秋元康は乃木坂46のプロデューサーである。つまり、秋元康のアイデアや制作によって乃木坂は作られており、ここまで強固な人気を作り上げたのも秋元康の功績である……
という訳では無い。
秋元康は、乃木坂46にとって「外部」の人間なのである。
え?作詞は秋元康でしょ?
そうだ。だが、基本的にその作詞しか乃木坂への介入はしていない。
企画の考案、各SGの選抜メンバーの決定、メンバーの外仕事、衣装制作、MV制作、乃木坂というグループのブランディング…。これら全てを秋元康が携わっていない「乃木坂運営」が行っている。
世間の皆さんが勘違いしてしまうのは、昔のAKBと秋元康の関係が記憶にあるからではないか。総選挙の発案や組閣(グループシャッフル)など、様々な企画を秋元康自身が考案し、実行しており、AKBの運営にはプロデューサー秋元康が不可欠だった。また、レコード大賞受賞時には秋元康も登壇しており、更に番組出演時には事ある毎にAKBのエピソードを話すなど、AKBとの深い関係・強い思い入れが感じられる。
しかし、乃木坂について秋元康から語られることはあまりない。語っても初期の初期についての話で、乃木坂が成熟してきた2015年以降の話はない。
つまり、乃木坂は独自のやり方で、秋元康の想定外に、グループとして成長してきた。
それに代表されるのが「乃木坂性」だ。
秋元康(=AKB)の考え方は、スクラップ&ビルド、炎上を含めた話題作り、メンバーの自由競争だ。
対する乃木坂は、安定・調和を求める、短いインパクトよりも長い継続性、メンバー一人一人に居場所を与えるという考え方だ。
これは勿論、運営だけでなく、1期生メンバーの競争を好まない雰囲気から、自然発生的に生まれたものでもある。
だが、秋元康は過去何度か作詞以外で乃木坂に介入し、この「乃木坂性」を壊しにかかってきた。
1つ目はAKBを模倣した2期生の研究生制度&堀未央奈のセンター抜擢。結果的に炎上&失敗で終わったが、この時は「乃木坂性」も確立しておらず、だがこれへの反発によって「乃木坂性」の向上に繋がったと言える。
2つ目はAKBとの交換留学制度。乃木坂が組閣に巻き込まれると乃木坂ファンは猛反発し、反対署名活動も行われたが、結果的には実行された。(先輩として乃木坂を成長させた松井玲奈さんには感謝するファンが多い)
3つ目は5期生・中西アルノのセンター抜擢。堀未央奈の件で乃木坂ファンの反応は分かっていたはずであり、これは確信犯である。意図的に乃木坂をスクラップ&ビルドしようとしたが、ファンの反発に拒まれた。
これに気を損ねたのか、これ以降「作詞」において乃木坂への嫌がらせが行われている。
好きというのはロックだぜ!、チャンスは平等といった乃木坂性とかけ離れたクオリティの低い曲を高頻度で渡し、乃木坂のクリエイティブ低下を誘発している。
更に今回、井上和センターの勝負をかけたシングルに対して、「チートデイ」というセンター像にもグループ像にも合わない時代遅れの低センスなタイトルを出した。これは、明らかに乃木坂への攻撃と言えるのではないか。確かに彼は乃木坂への思い入れは少なく、乃木坂の現在の地位を良く思ってないと考えても不思議ではない。
もしくは2018年頃のAKBのように、手を抜いた曲を提供し、他グループの躍進を支えたい思惑もあるのかもしれない。
乃木坂ファンは乃木坂のために彼に反発すべきである。彼の思惑通りにさせては絶対にならない。
また乃木坂運営は彼との契約を解消する選択肢を持つべきだ。これ以上振り回されてはグループが持たない。完全に彼抜きで運営をする覚悟をそろそろ持つべきである。そうすれば、本当の意味でAKB48の「ライバル」となれるのではないか?