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【講座振り返り】ナラティヴ・セラピーを学ぶ 誰も責めない姿勢(ノーブレイム)による修復的実践

先日、Narrative Kia Ora主催の【第4回ナラティヴ・セラピーを学ぶ「誰も責めない姿勢(ノーブレイム)による修復的実践」】に参加してきました。

個人的に講座の振り返りを記録しておきます。


🌱なぜ受講したのか?

私がこの講座を受けた背景には、graphiccaでの実践と私自身の探究心があります。

ナラティヴ・セラピーは、私の理解によれば、心理的な問題を解決する手段として語りのテクニックを使用するカウンセリング手法で、その中心にあるものは「人が問題ではなく、問題そのものが問題である」です。

ちなみに、「ナラティヴ・セラピー」は治療目的での傾聴となりますが、graphiccaでは治療を行っていませんし、私自身セラピストとも名乗っていません。
しかし、graphiccaでは、絵や図解を描く前のプロセスとして、個々の語りを真摯に聞き取ることを重視しています。その人の語りそのままを書き起こすのではなく、常に「何を伝えたくてこの話が出てきたんだろうか」と探りながらヒアリングを行っています。

この「人の語り」を扱う点や聞く姿勢においては、ナラティブ・セラピーとgraphiccaが大切にしていることが一緒ではないかと言う直感から、今本を読んだり勉強会に参加していたりしているというわけです。

💡学んだことメモ

いじめの構造と対処法

講座冒頭で特に印象的だったのは、中井久夫氏の「いじめの政治学」というテキストでした。

本の中ではいじめが3段階のステップ、すなわち標的の選定と孤立化、反撃の気力の無力化、そして最後に周囲の共謀による透明化を通して進行していくという分析がなされています。この明快な分析といじめの進行の様子、被害者と加害者の間の権力関係の表現に、私は衝撃を受けました。昔から「いじめ」ってあったものだし、基本は変わっていないんだなぁとも思いました。

また、日本でよく見られる「いじめか否か」の判断を通じた対応ではなく、被害者が「嫌なことをされている」という事実に対するアプローチがどれほど重要であるかを改めて考えさせられました。

誰も責めない姿勢(ノーブレイム)を前提とした「いじめ」へのアプローチ

ナラティヴ・セラピーでは「人が問題であるのではなく、問題そのものが問題である」という立場を採ることで、被害者や加害者への先入観を押し付けることなく、対話を通して各個人を捉えていきます。

だから、被害者に対して「いじめられる落ち度がある」「もっと強ければいじめられない」などの価値観の押し付けを取りませんし、加害者に対して断罪する、罰則を設けるなど外からの権力で「いじめ」を押さえ込むこともしません。

対話者が本人が望む形、例えば「学校に楽しく通える」ような状態を作り出すために、話の主導者となるクライアントや他の関与者がどのように問題認識をし、改善に向けてストーリーを構築するかをサポートします。

詳しい手法については詳細を省きますが、対立を起こさせない環境づくりを目指していくのではなく、対立が生まれた後にどう関係性を修復していくのかに焦点を当てていく考え方が素晴らしいと思いました。

講座参加を通した感想

今回の講座のテーマをgraphiccaに直接的に当てはめることが難しいものの、将来的に対立を図解やヒアリングを通じて解消する手段として非常に参考になりました。

グループディスカッションが多めの講座だったので、セミナー形式で受けているよりかはやっぱり面白いし、勉強ももっと深まるなぁと思いました。

また、スクールカウンセラーやソーシャルワーカーなど、現場で関係性の修復に関わっている方々の意見を直接聞くことができ、充実した時間を過ごすことができました。

🏃‍♀️今後の学び

私が現在参加しているNonviolence Communicationの読書会においても、表現者や相手のニーズを聞くプロセスや、行動背景の感情理解といった、ナラティブ・セラピーに共通する要素が多々あります。

ナラティヴ・セラピーとNonviolence Communication、それぞれのアプローチにはどれほどの相関性があるのか、或いは関連性がなくともどう組み合わせて活用できるのかを、今後も引き続き探究していきます。

これからも各分野の学びを深め、そのエッセンスを自身の活動やgraphiccaにどう生かしていけるかを考え、行動していきます。


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