電書の奥付どうなってますか?
ここしばらくずっと『少女トラベルミステリ』のために邁進している館山です。皆さんお元気ですか? 今回はワタシのあまりお元気でない理由について共有したいと思います。
今まで自分の電書制作以外では、そこまで意識していなかったのですが、『少女トラベルミステリ』で奥付を見る機会が激増しています。どの時期にどんな作品が出ているかを較べるためです。そしてしばらく奥付と取っ組み合ってみて、とんでもないことに気付く訳です。
「えーと、奥付に思ったほど情報載ってない……? 紙本と比較してどうなってる?」
雰囲気で紙本と同じ程度の情報量があるものと思っていたのですが、どうもそうではないのです。
そこに気付いたのはしばらく前に電書で『ガンニバル』を読んだ時です。奥付を確認して、情報量が大変少ないことに気が付いたのです。(ちなみに『ガンニバル』は『少女トラベルミステリ』では取り扱う内容ではありません。誤解する人はいないでしょうが念のため)
これだけです。日付が入っていないのです。
ただし紙本と比較していないので、こちらが紙本でも奥付の入っていない本なのか、電書のみなのか確認していません。
漫画の電書は基本的に画像です。可能性としてはカバーの折込のところに奥付があり、折込パートの収録をせず、結果的にそうなっている可能性を推測しています。(それっぽい本は以前確認しています)
このパターンなら「電書では奥付が省略されたのか……」ということが解ります。
さて、この「奥付を省略」ですが、別のパターンがあります。
「作ってはいるが奥付の情報を省略している」ものです。
ちょうど読んだばかりのリュウコミックス『マザーグール』10巻を見てみましよう。
こちらは「電書の奥付を新たに作った」ようです。電書の発行日については書かれていませんが、いつの底本かについても書かれています。
次は集英社ジャンプコミックス。こちらは見て驚きました。思った以上に情報が省略されています。
……発行年でした。発行日ではありませんでした。ただし冒頭で「デジタル配信用に再編集を行っています」と書かれています。「もしかしたら電書はみんなかなり大胆に奥付情報が減らされているのか!?」という疑念も湧きます。とりあえず他の本も見てみます。
新潮社『応天の門』18巻の奥付を確認しました。
こちらは紙本に載っていた奥付と電書の奥付が両方載っています。紙本版の奥付には雑誌での初出も書かれています。電書の奥付はこちらです。
こちらは至れり尽くせりです。これ見たら一発という感じになっています。もうちょっと見てみましょう。ヤンマガコミックス『極道楽園』です。ちなみに『極道楽園』と書いて『ごくどうパラダイス』と読みます。
こちらも初出は入っていないもののちゃんと日付が入っています。もうちょっと他社さんをいくつか見てみましょう。秋田書店『SANDA』を。
次は小学館『新苦労、奔る!』を。
こちらは新潮社と同じく紙本の奥付と電書の奥付と両方掲載しています。初出も掲載されています。KADOKAWA『緑の歌-収集群風- 下』も行ってみましょう。
こちらは電書のみの奥付ですが、底本の明記、初出情報も掲載されています。しかも「ver.003」ということは二回改訂されていて、バージョン情報が書かれているということですね。
次は白泉社『かげきしょうじょ!!』を。
電書用の奥付、初出あり、日付ありです。あと奥付の『かげきしょうじょ!!』部分はロゴ画像です。
ある程度見てみて「情報量が多い会社とそうでない会社でえらい違いだな」と感動がありました。
「発行日すらない場合はどうするんだよ」というお悩みをお持ちの方は、まずは購入したオンライン書店に行ってみましょう。データがちゃんと載っています。
「初出は?」こちらは……載せていない会社でも、ざっと見た感じでは「初出情報を意図的に削った」構成ではない気がしますので、紙本の方にも初出が載っていない可能性が割とある気がします。別の場所で確認するしかないと思います。「この会社は紙本では初出情報を載せているが、電書では削っている」という情報をお持ちの方は館山までお知らせいただけると大変助かります……個人的に。
こんな風に「電書の奥付大変だなー。紙の方が楽?」なんてオチになりそうでしたが、『少女トラベルミステリ』関係で貸本の『ガールガール』に手を出し「あれ……奥付はあるけどそもそも日付もない。年もない……マジかって……」と途方に暮れています。
紙本も奥付が怪しい本はいっぱいあるようで「俺達の戦いはこれからだ……」という気分でこの事実と向かい合う羽目になったというオチでした。いろいろすみません。