館山緑(granat)
「星子ひとり旅シリーズ&幽霊事件シリーズの研究本を出そう」から始まった『少女トラベルミステリ』──『少女』『トラベル』『ミステリ』の視点で少女向けミステリ、少女探偵、女性向けトラベルミステリについて検証していきます。いくつかのテーマに分けた記事を連載しています。 検証のためにトラベルミステリではない作品についても扱っています。
少年少女の青春陰気小説を時々掲載しています。前後編など連作でない場合は、全て別個の作品です。連載作品は別のマガジンにもまとめる可能性があります。 それぞれ電子書籍でも購入できます。 【掲載作】心には君のパズル、ツマベニの日、埋め尽くす君の黒、そんな世界、飼育小屋のゴミで肉(前・後)、戦えキルシュトルテ
昔作った祝日オンリーのペーパーです。すぐ終わってしまいましたが今でも地味に好きです。
電子書籍、epubに関する記事を書いています。読みたい人、電子書籍を作りたい人にお勧めです。
少女向けのミステリや少女探偵についてあれこれ探している間に、超大型シリーズがノーチェックだったことに気が付きました。 「絶対これは採り上げないと駄目だろう」そう思って急遽記事を書いています。「少女向けミステリを調べてるのに今まで知らなかったの……? やばくね?」と哀れまれそうですが、何とか頑張って追いつきたいと思います。 『探偵チームKZ事件ノート』とは? 『探偵チームKZ事件ノート』──原作・藤本ひとみ先生、文・住滝良先生の、名門塾秀明ゼミナールに在籍している少年少女が
前回の記事で思った以上にきっちりと定義ができて、大変珍しくフィードバックがありました。 ワタシがメインで使っているSNS、Blueskyのポストです。ありがたい限りです。占魚亭🎶📖❤️さんありがとうございます。大変参考になったので貼らせてください。そしていつの間にかBlueskyのポストも埋め込み可能になっていたことに今気付きました。ありがたいです。 前回の定義のやり直しでこぼれ落ちた部分です。 『少女トラベルミステリ』ではどういうキャラを『少女探偵』と定義するか。今回は
かなり時間は開いてしまいましたが前回はこちら。 前回である程度オチがついた気分でいたのですが、結果的に館山が『少女トラベルミステリ』の中で「どんなものをトラベルミステリと認識するか」という部分については曖昧になっていました。そこをもう少し詰めようと思います。 まずトラベルミステリにはふたつの要素があります。言うまでもなく『トラベル』と『ミステリ』です。「いやー、要するにトラベルでミステリなのがトラベルミステリですよー」とかいうトートロジーで落とすのではなく、自分にとって「
以前に『清里幽霊事件』『スキー場幽霊事件』コミックスが中国語翻訳されて刊行されたものを入手した記事を書きました。 この時に購入代行というものを初めて利用し、大変スムースに本を購入して記事を用意しました。我ながらびっくりです。一応中国語はDuolingo英語版の方でその時に登録されている分のカリキュラムは終えていたので初歩的なところはかじっていて、台湾で使われている繁体字には馴染みが少なかったものの、戦前の日本でも使われている字が多く、ある程度推測もできたのが大きかったです。
大人の女性探偵が多い山村美紗作品の中で唯一の少女探偵のシリーズです。内容の確認は初出の本ではなく、手に入りやすかった文庫版で行っていますが、発売日は初出の本のデータを掲載しています。文庫版に収録されている解説などの情報も付記しています。 祇園の売れっ子舞妓、小菊が探偵役となっている祇園舞妓小菊シリーズは全部で六冊刊行されています。ただ、それ以外にもキャサリンシリーズ二作目、1978年12月25日刊行の『百人一首殺人事件』に小菊という舞妓が登場しています。出身地その他で設定的
アンノン族という言葉をご存知でしょうか? 語源は1970年創刊のan・anと1971年創刊のnon-noのアン、ノンを合わせたものです。それまでは団体旅行、少人数だと新婚旅行がほとんどだった旅行業界で、それらの雑誌の読者を中心とした、女子の一人旅、少人数の旅が大流行したことで付けられた名前です。 『少女トラベルミステリ』でもこちらの記事で扱っています。 ワタシは80年代のan・anは読んでいたのですが、non-noは全く読んでいなかったので全く比較ができず、アンノン族と一括
前回、壮絶な長さの記事を書きましたが、この時点では「海外版の本の情報、画像については確認できた」状況でした。(この記事の執筆後に台湾版コミックス情報を反映させています) 今回は台湾版のコミックスを両方入手したのでそのレポートです。 前回はこちら。 この時に見ていたページはオンライン古書店のページとオークションサイトのページでした。本の画像を見ることができるので実在していることは解ります。最初はそれで充分だと思っていたのですが、どうしても解らないことが多く残ります。 まず
星子ひとり旅シリーズも幽霊事件シリーズも、どちらも人気作品なので関連作品があれこれ出ています。今回はそのご紹介の記事です。 ただし公式で出ている作品は時間も経っていることもあり、新品で入手することは星子シリーズFC刊行の同人誌以外は全ての作品で不可能になっています。未入手の刊行物もあるので、そちらについては情報をお寄せくださると嬉しいです。もちろんここで扱っていない作品についての関連作品情報についても歓迎です。 あと、当時は販促用にイラストを印刷したテレホンカードなどをプレ
幽霊事件シリーズは先発の星子ひとり旅シリーズとかなり差別化した形で企画が作られているようです。 こちらでもある程度取り扱いましたが、特にはっきりと出るのが主人公の造形です。かなり意識して「かぶる部分を極小にした」ように見えます。こうして並べてみると結構がっつり違います。 スポーツ好き少女 vs 文学少女 流星子は合気道部に所属していて、本人のアクションシーンもあります。逆に水谷麻衣子はミステリ好きで推理小説研究会の会誌で自分も文章を書いたりしています。スポーツはスキー以
前回予告した通り、少し時間は経ちましたが幽霊事件シリーズについて語る回です。 電書で今もがっつり読むことのできる星子ひとり旅シリーズと違い、作者の風見潤先生が生死不明という状況もあり、入手はとても難しいですが、序盤の方の巻ならある程度入手しやすいので、リストのリンクも貼っておきます。(後の方の巻となるとちょっとアレなレベルのプレミアがついています) 一作目『清里幽霊事件』が出た1988年07月には、星子ひとり旅シリーズは十作目『ワンペアは殺しの花言葉』まで刊行されていて、
今まで、かなり長い間tumblrを公式サイト代わりにしてきましたが、X退会その他でいろいろ地味に「どこに行けば館山とコンタクトが取れるのか」というのが解りづらくなってきたところがあるので、以前から考えていた公式サイト再開設をしてみました。 元の記事は大体tumblrにあるので、ほとんどコピペと改稿ですが公式サイトができました。作品の個別のページには暫定的にtumblrの埋め込みをして、記事ができるまではそれでしのいだりしていました。 ただ、tumblrの埋め込みってちょっと
『少女トラベルミステリ』は、それまで少女向け作品では存在しなかったロングセラーのトラベルミステリシリーズ、山浦弘靖『星子ひとり旅シリーズ』と風見潤『幽霊事件シリーズ』を扱っています。 星子ひとり旅シリーズが大人気になった後に幽霊事件シリーズが始まっているので、まずは星子ひとり旅シリーズのことを書かねばなりません。古いシリーズなので「実は読んだことがないんだよね」という方も多いかもしれませんので、解らない人はあらすじも引用してあるこちらのリストをチェックしてもらえると嬉しいで
ささやななえこ先生が亡くなったという話が流れてきて、頭をぶん殴られたような衝撃を受けました。ちょうど体調が悪くて寝込んでいたところで「今日は一体何なの!?」と未だに心が受け付けていません。 だらだらと書き連ねることでメンタルの安定を図るために記事を書いています。 ワタシにとってはささや先生はホラーの大家でいらっしゃるので、そちらの視点で話をします。 ワタシの人生は割と漫画にぶん殴られて培ってきたところがあり、その中でもホラー(当時は恐怖漫画と言いましたね)は当時からかなり
現在、ミステリにおける山村美紗作品の影響を語る人はほとんどいません。十代、二十代でミステリが好きな方は一冊も読んだことがないかもしれないし、名前すら聞いたことがないかもしれません。本屋ではもう既に新刊は並んでおらず、読みたい人は古本か電子書籍しか入手の方法がありません。 そしてワタシを含む中高年には2時間ドラマ隆盛の時期に席巻しまくった印象が強く、読んでないのに知っている人がたくさんいました。2時間ドラマにおける山村美紗先生の影響は計り知れず、京都の各所に山村美紗作品の殺人
星子ひとり旅シリーズや幽霊事件シリーズのヒットに結び付く、少女探偵は誰なのかとずっと考えてきましたが、世界で一番有名な少女探偵であるナンシー・ドルーは日本での人気はそこまででもなく、漫画などの探偵ヒロインも「名前を聞けば解る」というほど知名度は高くなく、『少年探偵団』シリーズの花崎マユミがほぼ主人公になっている『塔上の奇術師』はシリーズでもそこまで有名ではなく、少年探偵団の名前を知っている人でも花崎マユミの名前を知らない人も多いです。仁木兄妹シリーズの仁木悦子もロングセラーと
今回は1964(昭和39)年10月1日、東海道新幹線、東京──東大阪間が開業したところから始めます。ひかりでは4時間、こだまでは5時間で到着する、世界初の高速列車でした。どうも高速列車というのは時速200キロ以上で走る列車のことらしいです。 新幹線についてもガチで掘ると大変面白くて壮絶な話があったりしますが、そこをやっちゃうと戻ってこられなくなりそうなのでばっさり切ります。 今は東海道新幹線というと、東海道・山陽新幹線をイメージしますが、この時期には山陽新幹線パートはまだあ