レポート!グラフトプレナー×SLUSHTOKYO Graftpreneur Career Night
グラフトプレナー(家業を活かして新しい価値を生み出そうとしている人たち)のキャリアを後押しするためにSLUSH TOKYOと共催したイベント「Graftpreneur Career Night」。9/25(水)に開催されたイベントの様子をレポートします。
イベントは今回も永田町にあるGRiD1Fのtiny peace kitchenで開催。
身体に優しくて美味しい、お洒落なフィンガーフードが並びます。
今回のスピーカーは左から松崎真理さん、竹内 勇樹さん、小澤 航汰さん、井出 飛悠人さんの4人。
全く異なるバックグラウンドを持った4人が、家業を通して感じてきたことや、家業を持っていない人から見た家業のイメージなどを話します。
150年続く種苗(しゅびょう)農家を家業に持つ井出さん。
彼は農家の人手不足を解消する「シェアグリ」というマッチングサービスを運営する会社を学生時代に創業し、CEOとして働く傍ら、ガイアックスでも働いています。
曽祖父の代から続いてきた家業だからこそ、小さい頃から家業を継いで欲しいというプレッシャーは強かったと言います。
「祖母からは、会計業務ができる女性を連れて帰ってきて。と小学1年生から言われていました。」
それだけのプレッシャーをかけられていたのにも関わらず、継がずに自分で事業を立ち上げたのは何故なのでしょう。
「ゆくゆくは実家に帰って、最終的には継ぎたいと思っています。例えば自分が70歳になった時に、実家は創業200年になります。そういった瞬間に立ち会いたいと思っているんです。一方で、学生の自分から見ても、10年後実家が潰れず残っているだおるかと考えた時、衰退し潰れてしまうかもしれないという思いもありました。でも家業を潰したくなからこそ、自分が家業を経営できる人間に成長しようと思い、起業したのです。家業を孫の代につなげていきたいという気持ちがあるからこそ、自分で会社を立ち上げたのです。」
ぶどうやリンゴ、くるみなどを育てている農家を家業にもつ竹内さん。
もともと流通の勉強のため市場で働いていましたが、現在は国産非加熱の「まじめな蜂蜜」を売っている株式会社コノハスで働いています。「今は長野県で母親が一人で作っています。やはり家業は大切にしたいので、いつになるかはわからないけれど家業は継ぎたいと思っています。」
竹内さんが働く株式会社コノハスを経営している小澤さんは、その他にも二つの会社を経営しています。竹内さんと小澤さんが出会ったのは、まさにこのグラフトプレナーのイベント。二人はイベントの中で家業の話やキャリアについての話で意気投合しました。「何も決まっていないが農業系で何かやりたい」という竹内さんに、「蜂蜜を売りたいと思ってる」と小澤さんが打ち明けたのがきっかけで一緒に働くことに。その頃のことを小澤さんはこう振り返ります。
「竹内君が会社を辞めたのが今年の4月1日。ちょうどその日に二人で飲みに行って『最近どう?』と聞いたら『今日辞めた』と言うんです。僕は4月15日に会社をつくる予定で、そこにどうしても農業のことがわかっている人材が一人必要だったんです。だから『一緒にやろうよ』と誘いました。」
運命のような二人の出会いに会場も驚き!今日だってそんな出会いが待っているかもしれません。
2015年にSLUSHTOKYOにボランティアとしてジョインした松崎真理さん。
現在はフリーランサー(クオリティの高い人材やサービス)とそれを必要とする「中小企業」との出会いを支援する株式会社zehitomoで働いています。
家業を持っていない松崎さんですが、一体家業にどんなイメージを持つのでしょうか。
「お三方の話を聞いて見て、みなさんに起業家精神を感じます。固定概念にとらわれない、リスクをとる姿勢や、仕掛け作りをされているのだと思います。こうやって自分の理想や、ストーリーを伝えることで何かのきっかけになったりすることもありますよね。」
ラウンドテーブルタイムではこの4人のスピーカーも混ざり、集まってくれた皆さんのキャリアプランや、人生のビジョンについて話し合いました。
「転職中でしたが、起業家精神を持った皆さんの話に刺激を受けて
私自身が起業したり、次の転職先はスタートアップにしてみようかなと思いました。」
「家業という同じバックグラウンドを持った人が集まって話を聞けることはとても貴重だと思いました。改めて同じ悩みや喜びがあることを再確認しました。」
「自分の国にはない家業ビジネスを知れて面白かったです。」
と同じバックグラウンドを持つ家業持ち同士だからこそ、家業という話題をきっかけにお互いのストーリーをシェアすることで、通常のキャリアフェアや就職・転職活動では決して体験できない刺激的なイベントになりました。
イベント後には、
「家業とキャリアの接点を考えたのは今回が初めて。今ちょうど転職中なので、親に今の家業をスタートしたきっかけとか聞いてみたくなりました。」
「家業が自分のキャリア形成に役立つなんて思ってもみなかったので、もう一度家業を見直してみます。」
という嬉しい声も届きました。
またラウンドテーブルの後は、グラフトプレナーマガジンで取材をおこなったノラさんのお話も。社会問題を解決するため日本で起業する事を目指して、ベンチャー企業で働いていたノラさん。現在は転職活動中だといいます。「グラフトプレナーでインタビューを受けて、それが記事化されて、思った以上に周りの人から反響があったことで自分のストーリーに自信が持てるようになりました。そして思ったんです、もっと自分らしく働きたい。だからこそ、これからは自分のストーリーを自信を持って発信していこうと。」
家業というキャリア・アイデンティティを共有することで新しいビジネスの可能性が生まれること。人生のビジョンを共有することで同志と呼べる仲間やビジネスパートナーとの出会いに繋がるのだという期待の香るイベントでした。
家業を持つあなたも、自分と家業のストーリーを私たちにシェアしてみませんか?
興味のある方:info@graftpreneur.com までご連絡ください。
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