Pokemon UNITEを考察してみた #ちょっとGraffity
こんにちは、Graffityの森本です。普段私たちは「ARバトル」と呼んでいるARシューティングゲームを開発しています。今回は、「Pokemon UNITE」について書きたいと思います。
ポケモン×MOBAの新ゲーム
「Pokemon UNITE」は、6月24日に発表されました。ポケモン株式会社とテンセントが共同で開発した新作ゲームです。スマホアプリとSwitchでリリースする予定です。
ゲームシステムは、League of LegendやDOTA2のようなMOBAをベースとしたものです。MOBAは、3VS3、5VS5などのチームに分かれ、互いの拠点を攻撃し合うオンライン対戦ゲーム。さらに、プレイヤーひとりが単体のキャラクターを操作するのがMOBAの特徴になります。
MOBAはグローバルで人気ゲームジャンルであり、League of Legendは、世界で最も遊ばれているゲームであり、競技人口は約9000万人(1か月のアクティブユーザー数)です。テニスの競技人口数が1億人と言われており、ESportsとしてNo1となっているタイトルです。
ポケモンのEsportsへ本格参入
ポケモンのEsportsタイトルは今まで、ポケットモンスター ソード・シールドのランク戦とポッ拳がありますが、League of Legendなどのタイトルと比較すると競技人口は多くないでしょう。今回のMOBAベースのゲームタイトル開発は、Esportsへの本格参入と考えることができます。
ターゲットは、ポケットモンスター ソード・シールドのランク戦やポッ拳をプレイしているコアゲーマーや、League of Legends や Fortnite などの対人ゲーム経験があるライト層であると思います。
しかし、League of Legendsのコア層は、戦略の幅や奥深さ、高度なキャラのプレイイングスキルを求めているので、その点に関してはPokemon UNITEはライトに見えるので、ターゲット外になりそうな感覚はあります。
日本ではPCゲームではなくコンソールゲームやスマホゲーム中心の文化であるので、MOBAをプレイしている人は多くなく、日本はメインのユーザー層になると感じています。
Image : ポケモン公式YouTubeチャンネル
今回テンセントと共同開発ということもあり、中国での展開も見込めるので中国を含めてグローバルに競技人口を増やすことが可能です。Esports化がうまく行けばゲームとしてビックタイトルになるでしょう。
Pokemon UNITEのゲームシステムを分析
GraffityはARバトルを開発しており、Esportsとしての展開も視野に入れています。Esportsとしての競技性を出すためには様々な工夫が必要であり、Pokemon UNITEを分析することでどのように工夫したのかを考察していきたいと思います。
実際の実況プレイの動画がありますので、こちらをご覧ください。
1. ポケモンの世界観でMOBAを表現
ファームやジャングルでの中立モンスターを野生のポケモンとして表現し、レベルを進化で表現、ビルドはポケモンの技で表現という風に、MOBAのルールをポケモンの世界観でうまく表現することで、ゲームとして敷居が高いMOBAの敷居を低くし、ライトユーザーを獲得する流れをうまく作れていると思います。
2. ミッドレーンがないフィールド
Image : ポケモン公式YouTubeチャンネル
League of Legends は、3つのレーンでフィールドが構成されていますが、Pokemon UNITEでは、2つのレーンと中央にジャングルがあるというフィールドになります。
ミッドレーンがある場合、ミッドレーン攻略は戦略上非常に重要になってきます。ミッドレーンをなくしジャングルにしたことで、戦略要素を削ることができ、よりライトにすることが狙いだと考えています。
3. タワーディフェンスではないゲームシステム
Image : ポケモン公式YouTubeチャンネル
一般的なMOBAでは、タワーディフェンスバトルになっており、相手のタワー(拠点)を奪い、占拠したタワーの合計で勝敗を決めます。
しかし、Pokemon UNITEでは、相手のタワー(拠点)を奪うのではなく、倒した相手やフィールド上で倒した中立モンスターからポイントを獲得でき、自分の拠点に戻ることでポイントをスコアに変えることができます。そのスコアの合計値で勝敗を決めます。この点でいうと、ブロスタのようなゲームシステムに近いなと感じました。
さらに、相手の拠点を攻撃することで拠点を破壊することができます。これによりポイントをスコアに変えることができなくなるので、一つの戦術になりますね。
このゲームシステムは、一般的なMOBAのゲームシステムではないので、ターゲット層に合わせて戦略性をライトにするという狙いがあるのでしょう。また、スコア性にすることで盛り上がりをわかりやすくして、観戦体験を向上させる狙いもありそうです。
最後に
まだプロモーション動画や対戦動画が発表された段階ではあるので、詳細に考察ができませんでしたが、リリースされましたら再度詳しく考察していきたいと思います。
Esports化を目指すゲームタイトルは最初からEsportsとして成功できるような設計は必要だと思います。GraffityはARバトル開発しておりますが、Esportsとしても楽しんでもらえるように開発を進めていきたいです。
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