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AR版マリオカートを分析してみた

こんにちは、Graffityの森本です。普段私たちは「ARバトル」と呼んでいるARシューティングゲームを開発しています。今回は、AR版マリオカートについて書きたいと思います。

AR版マリオカートとは?

Nintendoがマリオカートの新作として『MARIOKART LIVE HOME CIRCUIT』を発表しました。今作は、家にマリオカート のコースを作り、専用のカートをSwitchで動かし楽しむゲームになります。

専用カートにはカメラがついており、カメラで空間認識を行い従来のゲームと同様なマリオーカートの体験を実現しております。

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Image : Nintendo

コースを作る際には、家に以下のようなゲートをおきます。

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Image : Nintendo

ゲートの中央部分がQRコードのようになっており、事前にゲートを順番に通りコースを作成します。

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Image : Nintendo

ゲートの置き方により様々なコースを作ることができることがポイントです。

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Image : Nintendo

ARゲームは、対面でのコミュニケーションが中心

GraffityはARで人と人とつながり方を変えるという思いで創業し、3年間仮説検証を試続けてきました。仮説検証する中でわかったことの1つに、ARで新しいコミュニケーションを作る際に重要なことが「対面のコミュニケーション」を拡張することだという仮説がありました。

『MARIOKART LIVE HOME CIRCUIT』は「対面のコミュニケーション」を拡張するものになりました。Nintendoは、PokemonGoやPokemon SmileなどARとゲーム性を用いて、日常のコミュニケーションを拡張してきており、今作もその一つであると考えることができます。

Graffityが2018年12月にリリースした、ARシューティングバトル「ペチャバト」も対面のコミュニケーションを拡張したものであり、ゲーム性は違うものの同じ思想で作ったプロダクトであります。

Nintendoも早期にARの良さに着目し、素晴らしいARゲームを提供し続けています。Nintendoのような素晴らしい企業が、ARゲーム市場が拡大していくと考えるとワクワクが止まりません。

AR版マリオカートのすごいところ

AR版マリオカート のすごい点は様々あると思いますがいくつかピックアップしてみたいと思います。

まとめると3点です。

・ドローンレースをうまくマリオカートにした
・加速度センサーとカメラを搭載したカートの開発とSLAM技術の精度
・買い切りモデルだから実現できる家での遊び

1. ドローンレースをうまくマリオカートにした

僕自身もARバトルの未来には、ドローンレースのようなものがあると思っておりました。ドローンレースとは、ドローンを使ったレースそのものを指します。

プレイの仕方は、ドローンにカメラをつけプレイヤーはヘッドマウントディスプレイをつけドローンを操作します。

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『MARIOKART LIVE HOME CIRCUIT』では、ヘッドマウントディスプレイがSwitchになり、ドローンがカートになりました。

もちろん単純にそれだけで『MARIOKART LIVE HOME CIRCUIT』が完成するわけではありません。カメラを搭載したカートの低価格化、ARによりマリオカート のゲーム性の実現、コートを簡単に作成できるなどが必要になります。

2.加速度センサーとカメラを搭載したカートの開発とSLAM技術の精度

ドローンレースのドローンはカメラと通信機能があれば問題ないですが、マリオカート のゲーム性を実現するAR機能を追加するためには、加速度センサーやカメラによる空間認識機能(SLAM技術)が必要になります。

僕の予測では、加速度センサーが強く、補助としてのカメラ機能が使われているのではないかと予想します。iPhone、Androidに搭載されているARKitやARCoreはVisual SLAMというより、Visual Inertial Odometryを利用しており、加速度センサーによる自己位置の認識のウェイトが高くなっております。iPhoneやAndroidでAR機能を使っている際に、素早く動かしても自己位置認識の精度が高いまま理由は、加速度センサーがあるからです。

よって、カートの自己位置を認識したり、コース(環境地図)を作る際に、加速度センサーをメイン使っていると考えます。(カメラによる自己位置推定ももちろんやっている。)

さらにSLAMには、ループの閉じ込みという処理があります。これは出発地点に戻ってきたときに、自己位置の累積誤差を修正するような処理だと考えていただければシンプルです。

コースは一周するものなので、その際にループの閉じ込みの処理を実施し累積位置誤差を減少させているのだと考えます。レースが始まればゲートがSLAMにおけるランドマークとなりそこでも自己位置を修正することができますので、ARの精度が高い状態でプレイし続けられるようになっています。

3. 買い切りモデルだから実現できる家での遊び

Graffityが提供しているARシューティングバトル「ペチャバト」は対面で楽しむARバトルになります。対面のユースケースに絞っていると、既存のソーシャルゲームのようにいつでもどこでも楽しめるわけではありません。

モバイルアプリにおけるリテンションは非常に重要なもので、対面の遊びにフォーカスばかりするとビジネスモデルとしては成り立ちません。PSP版のモンスターハンターやモンスターストライクのように一人プレイでも進めることができ、対面だとより楽しめるというユースケースに近づいていきます。

しかし、既存のコンソールゲームと同様に買い切りモデルにすることによって、リテンションよりも、家で楽しむ体験にフォーカスすることができるようになりました。

最後に

今後もNintendoからARを利用したゲームが発表されるんだろうなと考えており、ワクワクしております。スマホを用いたARバトルを開発するGraffityとARに対して共通の思想を持つNintendoでコラボレーションしたタイトルを出すことができればなと思いつつ、まずはGraffityが提供するARバトルを大ヒットさせるべく、引き続きGraffityでは新ARバトルを企画・開発していきます。

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