カミングアウトとアウティング
カミングアウト・アウティングという言葉をちゃんと知っていますか?
アウティングという言葉は特に聞いたことがない人が多いのではないでしょうか?
今回は、LGBT+について知っていくにあたって、知っておかないといけないカミングアウトとアウティングについて、まとめていきます👍
カミングアウトとアウティングって?
カミングアウト:自分が世間一般に少数派の主義・立場であることを公表すること。
アウティング:他人の秘密を暴露すること。(他人のセクシャリティを暴露する場合に多く用いられる。)
上の説明からもわかるように、
”カミングアウト”、そして、”アウティング”という言葉は、LGBTであることを公表/暴露することだけを指し示す言葉ではありません。
勘違いされるところ
”カミングアウト”は人に知られたくないことを本人の意思で公表するということ。
そして、”アウティング”は第三者により知られたくないことが暴露される。つまり、本人の意思が関与しないところで、第三者により、少数派の主義・立場であることが公表されてしまうということを言います。
本人の意志か第三者によるかの2点が大きく違います。
一橋大学アウティング事件
ここまで扱ってきた”アウティング”という言葉を有名にしたのが、
一橋アウティング事件です。
2015年、一橋大学の法科大学院で起きました。ゲイの学生Aさんが同級生のBさんに告白したところ、告白されたBさんが「Aさんはゲイである」とLINEグループで発言し、アウティングされたAさんが精神的にショックを受け投身自殺してしまったという事件です。
秘密を暴露された当事者にとって、アウティングがどれほど辛いものか。感じ方は当然人によって異なりますし、言い方を変えれば「計り知れない」とも言えます。
この事件では尊い命が失われたと同時に、「アウティング」が広く世に知られるきっかけともなりました。
また、この事件においては「大学サイドの対応が適切であったのか」が争点となっています。
アウティングされたのち、Aさんはアウティングをハラスメントだと考え、大学のにあるハラスメント相談室に相談しました。ところが、相談員は学生委員会での対応を検討しており、相談員がもとより「アウティングがハラスメントである」という認識を持っていなかったことがわかります。
またそれだけでなく、相談員がAさんに対して「自身が同性愛であることを受け止めきれていないからアウティングで傷つくのではないか」といった趣旨の発言をしたことが判明しています。Aさんのせいだ、と言いたいように聞こえてしまいます。
相談員は、ゲイのAさんに対し、性同一性障害の医療支援をしているクリニックを受診するよう勧めていたそうです。性的指向(どの性を好きになるか)と性自認(自分の認識する性)を混同した対応であり、こういった性に関する誤解の数々も、Aさんが命を絶った要因の一つだと考えられています。
終わりに
カミングアウトとアウティングについて知ることができたでしょうか?
あなたがカミングアウトやアウティングに出会ったり、されたり、したりする可能性はあります。
特に心配なのは、「何かしらのことをカミングアウトされるのでは」ということだと思います。
「カミングアウトされたら何か助言をしなくてはいけない」なんてことはありません。
「そうなんだ、教えてくれてありがとう」とまずは受け止めましょう。いち個人として、その人の話を聞くことが大事です。
そして、自分がアウティングしないために、自分を信頼して秘密を打ち明けてくれた人の意思を、何よりも尊重する必要があります。
本人が考えに考え抜いて打ち明けてくれた秘密を守ることは、人間関係を構築していくうえで必要不可欠でしょう。