そのコスメにキャビアは必要か
スキンケアコスメにいわゆる”キャビア”というものがある。
粒状のカプセルを手にとって肌に馴染ませると、潰れて中の成分が出てくる仕組みになっている。
見た目にかわいらしく、コスメとして”見栄え”のするものであると思うし、肌の上で潰れていく感触も面白いのだが、果たしてこのキャビアが本当に必要なものかどうもよくわからない。
カプセルにしなければならない理由があるのならまだしも、その成分を基剤に溶かしても問題ないように思う。
香水につけられた”色”もそうだ。置いた時の映えだけのためにある。香水は肌に吹き付けてしまえば色などわからないので、本来はなくても良いものである。
コスメのキャビアも香水の色も、使う人の気持ちを上げるという意味では製品機能の一部であり、身につけるものには実質的効果とは別に心理的効果も必要なのかと思う。
実質的効果のみに注視した商品ばかりが世に溢れたら、きっと景色は殺風景になるに違いない。
裏撮りをしたわけではないので、これらはあくまで私見である。
世の中には、本当は必要のないもの・必要のない技術が含まれている商品がある。
たとえば、フェイスパック、パッケージから取り出すとやたらヌルヌルするものがある。中には糸を引くようなものもある。これがフェイスパック本来の機能である保湿に寄与していれば良いが、どうもそんなことはない気がする。あれは”保湿感”を演出するためのものなのではないか。
”オーガニック成分配合”、”ボタニカル仕様”と大々的に謳っていながら、成分表の下の方に書かれているようなものもある。これも”肌に優しい感”、”環境に優しい感”の過剰演出に思えてしまう。
”それっぽく”見せている商品は、きっと山ほどあるに違いない。
それらは違法ではないし、嘘をついているわけでもないが、そのちょっとした演出になんだかモヤっとする。
先述のように、コスメには気分を上げる効果も期待される。その為の価格設定だと良いのだが、果たしてそれで良いのかとふと思ったりする。