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私たちがバッグに入れているもの
3秒後に死ぬかもしれないと思いながら生きている。
そのような人に言うと大抵の人は「それはいいですね」と言う。
しかし、本当に3秒後に誰かがこの世から去ってしまうと、その瞬間に人は戸惑い、果てしなく深い慟哭に襲われる。
それでも地球は回り続けるし、世界は動き続けるし、街も人も変わらない。
クリスマス一色の街もまた、誰かがこの世から去っても相変わらず同じように動いている。まるでひとつの生き物のように、朝から晩まで呼吸し続けている。
誰かがこの世からいなくなる時、すでにあちらの世界に行ってしまった人を思い出す。父や、祖母や祖父、親しい友人、恩師、その他たくさんの人たち。その人たちが旅立っていった日のことを今でもよく思い出す。
それでも街はキラキラしている。
星型のオーナメントや、色とりどりのLEDが巻き付けられたクリスマスツリーは明日も輝いているはずだ。
クリスマスの限定のショッパーをうれしそうに持ち歩いている人々、「ママはきっと喜ぶよ!」と英語でまくし立てる人、聞こえてくるけど意味がわからない言語を話す人たち、そのほとんどは3秒後を生きており、街は何も変わらないように見える。
けれど、どこかに3秒後を生きられなかった人がいる。
どんな人生であっても、サヨナラは切り離せない。
誰もがサヨナラをバックに入れたまま歩いている。
それでも街は変わらない。
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