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時の車輪の仕業

今年の夏ぐらいからAmazonの独占配信のシリーズドラマ『ホイール・オブ・タイム』を見続けている。現在はシーズン2までである。最初は吹き替えで、2度目となる今はフランス語の音声と日本語の字幕で見ている。


ドラマの話を書くために作者を調べようと思い、原作『時の車輪』をWikipediaで開いた。
先の話を知りたくないので、あらすじ部分はざっと飛ばしたが、思わぬところでストーリーの先を知ってしまった。キャラクター説明を読んでしまったのだ…。
ネット配信のドラマは視聴率にかなり大きく影響するだろうから、次のシーズンが配信されるかどうかはわからない。制作中だそうだが、いったいいつできるのかわからない。それでも続きを楽しみにしていたのに、なんてこった!
原作があるのだからあらすじが公開されていてもを不思議はないが、できれば知りたくはなかった。


ところでこの物語、原作はアメリカ人が書いているのだが、欧米人の発想にしては不思議だなぁと思うところがあった。全編を通じて、仏教における輪廻の思想が根底にあるように思っていたが、それを如実に表した場面である。
ある集団がいて、彼ら・彼女らは暴力をとことん拒否する。たとえ相手から激しく殴られたり蹴られたりしても絶対に抵抗しない。暴力を暴力で返すことをしない。
たとえ暴力により血を流し、命が途絶えたとしても、その血や身体は大地に返り、いつの日か再び芽吹き、後の世に生まれ変わると言うのだ。集団に属する娘を殺された母親は、次に娘が生まれ変わったときにより良い世界にしておきたいと言う。


そのような思考が欧米人の中から出てきたことに私はとても驚いた。人はたとえ抗っても、運命には逆らえないと言う。タイトルの『時の車輪』は、輪廻のサイクルや運命の輪のようなことを意味している。


今の私はあらゆることがあまりうまくいっていない。大切にしている物事がグラグラとしているような感じである。「運命は自分で開くもの」と思っている私だが、今の状況は時の車輪がそうさせているようだ。
うまくいっているときは自分のおかげ、うまくいかない時は時の車輪や運命のせいと思っている方が楽かもしれない。


…とすると、物語の先を少し知ってしまったことも、また時の車輪の仕業なのか…。

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