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金曜市でムカゴを買った

東京駅から新丸ビルに入る手前で、金曜市が開催され、そこでムカゴを買った。
ムカゴを始めて食べたのはいつだったか、もうだいぶ前のような気がする。
スーパーではなかなか見かけないので、即決で買ったのだが、たくさん入って300円と、とてもお買い得だった。

ムカゴを知らない方に説明しておくと、ヤマイモの赤ちゃんのような部分だ。

生のムカゴは、酸味とわずかな土っぽさのある匂いがする。
面白いのが、これに火を通すと、ブルーベリー様の香りがする。
我が家ではムカゴを油で炒めて塩を振っていただく。
むっちりした食感で箸が止まらない。
今回はじめてみそ汁に入れてみたが、先のブルーベリー様の香りの為、あまり合わなかったように思う。

母もムカゴの生の匂いを嗅いだが、あまりに一生懸命に嗅いでいたので、「そんなに嗅がなくても…」と笑ったら、彼女は「匂いを嗅ぐと覚えるから」と興味深いことを言った。
母は嗅覚に関して取り立てて興味はないはずだが、嗅覚と記憶の関係が密接であることを体験で知っていた。


続けて言った。
「あんまり嗅いでいると人から神経質に思われるんだけどね」
私は両親が様々なモノの匂いを嗅ぐのを見て育ったので、それが当たり前だと思っていたのだが、世の中の人はそう見るのをこの歳になって初めて知った。

ムカゴを買ってから、新丸ビルで寿司を食べ、とても美味しかったのだが、家に帰って食べた素朴でお買い得なムカゴも同じくらいに美味しかった。


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