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アニメ『呪術廻戦』

アニメ『呪術廻戦』を観た。
こういう絵柄があまり得意ではなく、タイトルのイメージからアクション系のアニメだと思っていたのでスルーしていたのだが、呪いが主題だということで何となく観てみたのだった。

呪いそのものに特段の興味があるわけではない。まして誰かを呪っているわけでもない。念の為。

実は、私が子供の頃に、我が家から近い雑木林で五寸釘が打たれた藁人形が見つかったことがあった。呪術を信じていなくても、背筋がぞっとする。

ある科学番組で観たのだが、科学が発達していない時代、狭く小さな集団内で五寸釘の藁人形などの気味の悪いものが発見されると、それはすぐに噂となり、呪われた本人はノイローゼになって死に至ることがあったのだと解説されていた。
科学が未発達の時代における神話や伝説・文学などは、当時の人々の考え方や暮らしが見えて興味深い。

私が観たシーズン1と映画版での『呪術廻戦』は、そのような視点に立つものではなく、主人公たちの生い立ちを絡めて、成長していく様子を描いたものであった。呪いの裏にある人間の悲しみや苦しみが描かれていたら、もっと深い話になるように思う。

ただ、「人のネガティブな感情が具現化し、意志を持つ」という設定は、なるほどと思わされた。
必ずしも”誰かが憎い”という感情だけでなく、悲しみさえも呪いの具現化である「呪霊」となってしまうのだ。

人は1日のうちでさえ、100%ポジティブでいるわけではない。美味しそうだと思って買ったお惣菜が美味しくなかった、歩きスマホの人とぶつかった、仕事でミスをした…小さなネガティブ感情は、1日の中でたくさん生まれ、ほとんどがすぐに泡となって消えていく。

はたと、私は1日どれくらいの呪霊を生み出しているのだろうか、と思った。
特にここ一か月半程は、朝な夕なに悲しみに暮れ、自分の不甲斐なさに嘆き、口には出さずとも誰かに助けを求めたり、誰かからの感謝を求めたりしていたのだ。
呪霊は日に日に強くなっていったに違いない。

できるだけポジティブでいようと心がけていても、コントロールできない”良くない”出来事は向こうからやってくる。
生まれたネガティブな感情は、できるだけ速やかに祓うべきだ。

さて、呪いを祓う私の術式は何だろうか。
美味しいものを美味しく食べることか、好きなものをワクワクしながら買うことだろうか、たわいのないことで人と笑いあうことだろうか…。

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