1年に一度現れる光
1年の中でたった1日、数分だけ現れる光。その光を辿って足元を掘ると、宝物のありかを示す地図が見つかる…。
アドベンチャーストーリー好きにはたまらないシチュエーションだ。それは、だいたいが夏至や冬至、そして春分。映画『インディ・ジョーンズ』にそんなシーンがあったように思う。
メキシコのチェチェン・イッツア遺跡では、春分と秋分の年2回、太陽が一定の角度になると蛇が現れる。ピラミッドの階段に光と影のコントラストによって蛇の胴体を浮かび上がり、ピラミッド麓のククルカンと呼ばれる蛇の頭と合体して、まるで大蛇が天から降りてきたように見えると言う。
私の部屋にもここ数日謎の光が現れている。カバー写真の不思議な光がそうだ。不規則な形の光が10分間あるかないかの刹那、クローゼットの扉に映る。
確か去年の今頃、noteのカバーにやはり同じような写真を使った記憶があった。スマホのアルバムを探してみると、ちょうど同じ頃、11月8日にこの光の写真を撮っている。
光の正体は壁に下げられた星型のオーナメント。ゴールドのメッキがしてあり、それがちょうど今頃の15時ぐらいの陽の光に反射しているのだ。コスメブランドのノベルティだったかと思う。
知ってしまうと夢はなくなるが、ある時期だけ突然現れ、数日後には現れなくなってしまう光に、何か神秘的なものを感じてしまう。まるでその扉の下に思いもよらない宝物が隠されているのではないかと思ってみたりする。
太陽を反射している星型のオーナメント、じっと見ていると太陽がゆっくりと移動しているのがわかる。それは夏だって同じはずなのにより神秘的に感じられ、私はこうして宇宙の中に存在し、宇宙の一部となっていることを認識する。
去年と何も変わらないということはないし、去年より良くなったということもないが、去年見た光を今年も見ることができただけでありがたいことなのかもしれない。
その数分だけ、神秘的な気持ちになれるのもまた良い。
オーナメントの位置が変わらなければ、そして私が健康で生きており、ここを離れることがなければ同じ光が見られるはずだ。
せめてそのくらいの幸運を願っても、罰は当たらないだろう。
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