真実らしきもの
新型コロナとインフルエンザが同時流行しているそうだ。
幸いと言って良いのか、新型コロナにはまだ感染したことがなく、インフルエンザどころか風邪でさえ、ここ数年罹っていない。
だが、人の多い都内から帰宅したその夜から数日間は、やはり気が気でない。
起床時の体温測定はいつもビクビクするし、昨晩寝る時は気温の低下で寒かったのだが、発熱前の悪寒ではないかなどと心配になってしまった。
特別に人より免疫が高いとは思えないし、外出の機会は週一とは言っても、私は何故コロナに罹患しないのだろうと思って、深い考えもなく
コロナにかからない人
で検索してみた。
人類の中には先天的にコロナに罹りにくい遺伝子を持っている人はいるらしい。まぁ、そうだろう。
私が目を疑ったのは、あるクリニックの2020年春頃の新型コロナに関する記事である。
主旨はこうだ。
「アメリカでは貧困層の罹患率が高く、富裕層では低い。貧困層は肉食が中心で、富裕層はヴィーガンが多く、肉を食さないヴィーガンの方が免疫に関与する腸内環境が良いからだ。日本の皇室の方々が罹患しないのもこのためだ。」
新型コロナの性質がまだよくわからなかった頃の記事とはいえ、ここに疑義があることは医師でない私でも一目瞭然である。
様々な要因が考えられるが、とりわけ衛生環境は両者で大きく異なるだろう。
今現在は皇室の方々も罹患しているので、先の説は呆気なく崩れる。
私が問題にしたいのは、医療機関がこのような疑義のある記事を訂正も削除もせずそのまま放置している点である。
クリニックの概要をみても、医療だかなんだかよくわからない。
もちろん、法律に引っかかるものでもなく、またこのクリニックに通って良くなった人もいるのだろう。
ただ、「偉いお医者さんの言うことだから本当だろう」と信じてしまう人は一定数いると思われる。
こういう「真実らしきもの」は世の中にたくさんある。
商品しかり、サービスしかりだ。
私も知らないうちにそのようなものを購入しているかもしれない。
誠実な商品やサービスを購入するには、こちらにも知性がなくてはならない。
知性とは何だろうと、改めて考えさせられる。
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