萌芽
明野町の三澤農場では、観測史上最も早い萌芽を迎えました🌱
蔵では、瓶内二次発酵のデゴルジュマン(滓の除去)を進めています。
スパークリングワインを造る方法は様々です。
一般的な炭酸ジュースのように、出来上がったワインに炭酸ガスを吹き込む方法もあるのですが、グレイスワインのスパークリングワインは、一貫してシャンパンと同様に瓶内二次発酵により一本一本を手作業で仕上げていきます。
瓶内二次発酵では、酵母が発酵することで生まれる炭酸ガスを瓶の中に閉じ込めます。瓶内二次発酵の過程で生まれる泡は、吹き込まれた炭酸ガスに比べ、液体に一体化したクリーミーな舌触りがします。
発酵が終わると、酵母は瓶底に沈殿し、滓と呼ばれます。グレイスワインでは、この状態で3年から7年貯蔵します。
その後、瓶詰め時にこの滓を除去する作業が「デゴルジュマン」です。この滓を除去しないと、濁ったままになってしまい、せっかく瓶内二次発酵で生まれた細かな泡が台無しになってしまいます。
このデゴルジュマン、どのように行うかというと、まず、1か月ほどかけて滓を瓶口に集めます(ルミュアージュ)。
その後、滓の集まった瓶口を凍らせて、栓の王冠を外すと、圧力でピュッと凍った滓が押し出されます。
一日に仕上げられる量は、最大でも900本程度です。グレイスワインでは、単一収穫年のヴィンテージスパークリングのみを生産していますが、毎年ボトルのコンディションが異なり、ほんの少しの差が泡や風味に影響していきます。
自身で造り始めてから、多くのシャンパーニュが安定したマルチヴィンテージのベースワインを使う理由が何となく分かって来たような気がします。
毎回毎回難しいなぁと思いながらも、難しいから夢中になってしまう作業です。
このデゴルジュマン作業ですが、できるだけ液体の温度を冷やして行いたいため、瓶は0度、部屋も10度以下に設定して行っています。
外は、春うららの陽気なお天気であっても、ワイナリーの中はまるで真冬。帰宅して、夜中に毛布にくるまっても、身体は芯まで冷え切っており、手足が冷たく、終盤の月末になると、夢にまでデゴルジュマンが登場します。
4月末になりデゴルジュマンが終わると、モコモコの入ったパンツや厚いダウンも整理できるので、醸造家が本当に季節の移り変わりを実感するのは5月かもしれません。
【ゴールデンウィーク中のワイナリーショップ営業について】
4月29日〜5月6日
※5月7日はお休みさせていただきます。