風薫る季節となりました
春から初夏にかけて、日一日と緑が深まっていく様子は美しく、大好きな季節の到来です。
今年は早めの梅雨入りを迎えそうですが、もう少しの間、この清々しい風を楽しみたいと願っています。
この時期のブドウ畑の作業はのどやかですが、醸造所では、4月はスパークリングワインのデゴルジュマンと瓶詰め、5月は「あけの」「キュヴェ三澤」のアサンブラージュの決定など、醸造所は気を緩めることのできない緊張の日々が続きます。
瓶に詰められた瞬間から批評の対象になります。批判に耐えていくことも、またものづくりであると思います。その責任を負うことが、何とも言えない緊張感を作り出すように感じています。
都市部では、緊急事態宣言が延長され、外出もままならない日々とうかがっています。
そこで、今日は、おうちでも楽しめるおすすめのワイン映画を紹介させてください。
「おかえり、ブルゴーニュへ」
フランス映画好きの方なら、その名を知らない方はいないであろう、セドリック・クラピッシュ監督が描いたワイナリー一家の物語です。
私自身がフランスに留学中、大流行した映画「スパニッシュアパートメント」を撮っていたのがクラピッシュ監督でした。
数年前、「おかえり、ブルゴーニュへ」の日本上映が決まった際、解説を映画のパンフレットに書かせていただくことになりました。クラピッシュ監督が描いたワイナリー一家の物語というだけでも、体が震えるほどの喜びがこみ上げたものでしたが、その上、ムルソーの名手、「ドメーヌ・ルーロ」のオーナー醸造家も番頭役で映画に登場していることが分かり、わくわくしながら拝見したことを思い出します。
これからご覧になる方もいらっしゃると思いますので、詳しく書くことは控えたいと思いますが、ワイナリーを受け継ぐことがどれだけ大変なことなのか、家族経営ワイナリーの現実が描かれた映画でした。私はやはり、主人公の妹であり、女性醸造家に自分を重ねてしまいました。
ルーロのジャン・マルク・ルーロ氏が技術的な部分を監修されていることもあり、ワイン造りについても、細部まで忠実に描かれていますので、ワインに興味をお持ちの方は、勉強にもなるのではないかと思っています。
ワインを愛するものたちにとって、ブルゴーニュは特別な場所ですね。美しい風景も是非お楽しみください。
「おかえり、ブルゴーニュへ」公式サイト👇
http://burgundy-movie.jp/