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2024年もありがとうございました

今年もグレイスワインを応援して下さり、誠にありがとうございました。
2024年は、みなさまにとってどのような年でしたでしょうか。

今年1年を振り返ってみると、昨年ワイナリーの創始100周年を迎え、100年企業として新たな責任が生まれた年でもありました。
これからの100年に向けて良きスタートになるよう、年始から全身全霊で仕事に取り組んだ緊張感のある年でした。

2024年がスタートして間もない頃、都内で開催された勉強会で、細胞生物学者の永田和宏先生のお話を聞く機会に恵まれました。
その時に先生がおっしゃっていた「タンパク質の手ざわり」という美しい言葉にはっとさせられました。

現代は、タンパク質の遺伝子が分かれば、まったくタンパク質に触れることもなくその構造までが分かってしまうそうなのですが、かつては、あるタンパク質の性質、機能を調べようと思ったら、まずそのタンパク質が豊富に含まれる組織、臓器を探し、苦労して生の材料からタンパク質を精製していたというお話を聞かせてくださいました。

そのお話を聞きながら、ワイン造りのことを思い出していました。ワイン造りも、日々進歩していますが、実際に触れたり、果汁やワインの香りを嗅いだり、考え抜くことと手ざわりこそが大切であると思ったのです。

醸造家としては、『Grace Blanc de Blancs Late Disgorged 2015』をリリースさせていただきました。
このスパークリングワインの初ヴィンテージは2008年。当時の瓶内での熟成期間は2年以内でした。

それが2010年産から3年熟成となり、『Grace Extra Brut』と名前を変え、2014年産からは5年熟成となったことで『Grace Blanc de Blancs』と再度名前を変更しました。

『Grace Extra Brut』(3年熟成)と
『Grace Blanc de Blancs』(5年熟成)


瓶内二次発酵のスパークリングでは、ベースのワインが同じであっても、滓と接触する熟成期間が長くなれば、全く異なるワインになります。それを銘柄の変更によってお伝えさせていただきたいという気持ちでした。

そして、今年。
いよいよ7年熟成となり、名前も『Grace Blanc de Blancs Late Disgorged』となり、ラベルもマイナーチェンジとはなりますが、変更させていただきました。
“Late Disgorged”とは、デゴルジュマン(滓の除去)が行われる前に、滓との接触期間が長く設けられていることを意味しています。

『Grace Blanc de Blancs Late Disgorged』


グレイスワインがスパークリングの醸造を始めて16年が経ちます。シャンパーニュ以外でスパークリングワインを造るのであれば、下手なものを世の中に出してしまったら、尊敬する生産者たちへの冒涜になってしまうのではないかと考えていました。
7年熟成となり、ようやく、スタートラインに立てたような気持ちでいます。
今年はワインメーカーズディナーなどで、お披露目の機会をいただけましたこともとても感謝しております。

また、今年もたくさんのお客様から応援の言葉をいただきました。その言葉一つ一つに支えられて、一年を過ごすことができました。心からお礼を申し上げます。

グレイスワインは、来年1月5日までお休みをいただきます。
ワイナリーショップは、6日午後よりオープンさせていただきます。

皆様、どうぞ良いお年をお迎えください。

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