剪定始めました
冬の静かなブドウ畑に、剪定鋏が樹を整える音と、小鳥たちの鳴き声が響きます。
剪定とは、その年のブドウの品質と収量を決めていく最初の作業です。
ブドウ樹にとっても、野生化を防ぐための大切な作業といえると思います。
この時期、三澤農場の空気は極めて澄んでおり、見渡す景色の透明感が増すようです。
三澤農場の北側には八ヶ岳が高々と連なり、時折音を立てるように北風が吹き付けます。
山麓のブドウ畑の冬には、張りつめたような空気が漂うものですが、先月、私自身も海外とのオンラインのマスタークラス(ソムリエやワイン専門家を招いたセミナー)を4回開催させていただき、緊張と反省の繰り返しの日々でした。
中でも、ロンドン郊外にある三ツ星レストラン「The Fat Duck 」とのマスタークラスと、ソムリエの最高権威資格を認定する機関「The Court of Master Sommeliers」のCEOである、ロナン・セイバーン氏とのマスタークラスが二週続けて続いたときには、身の引き締まる思いでした。
家族経営のグレイスワインの生産量は決して多くありませんが、生産量の約3割を輸出しています。日本のワイナリーとしてはあまりないことだと思いますので、言葉の選択一つとっても、「日本ワインにとって、甲州にとってこれで良かったのだろうか」と悩んだり、厳しい市場の中で活躍している方々と話すたび、「ここの勉強が足りなかった」と反省することばかりです。
これからも日々学びながら、自分自身のワイン造りと向き合っていきたいと思います。
そんな中、三澤農場産のメルロ・カベルネソーヴィニヨン・カベルネフラン・プティヴェルドのアサンブラージュ『あけの 2019』が、輸出先でもあるオーストラリアのレビューで95点をいただきました。
産地名を冠した『あけの』
耽美な山々の風景、豊かな日照時間、澄み切った空気、静かな星空、小さな私たちの姿がワインに表れるようになり、少しずつ文化的なワインに成長していたらいいなと昨今考えています。
グレイスワインの公式オンラインショップでは、『あけの 2019』とナチュラルチーズ「オッソ―イラティ」の組み合わせもご好評をいただいています。よろしければ是非お試しください🍷🧀