甘味料のブレンドでお菓子の個性を出す時代
甘味料をブレンドして使うということ自体は
別に新しいことでもなく、古くから使われてきた方法です。
グレイスフルスイーツの一番の特徴は、この甘味料のブレンドを
お菓子のレシピの中に意図的に「甘味料のレシピ」として組み込みます。
ピエールエルメさんの「イスパパン」のように「バラ、ラズベリー、ライチ」の組み合わせに代名詞のように名前をつけているように
「甘味料のレシピ」そのものを、お店やパティシエとしての
ブランディングや個性として、他のお菓子と明確に違うくらい
アイデンティティーとして使うというものです。
例えば、グレイスフルスイーツでは
「アガベシロップと米飴」の組み合わせがレシピで最も多く出てきます。
アガベシロップ:米飴=20:1 フリーダムシロップ
(20:1で入れて違いがわかるの?と思いますが
実際に食べればよほど味覚が弱い方でなければ
その違いは誰でもわかるくらいです)
アガベシロップ:米飴=10:1グレイスフルハニー
(知らない人は何かの蜂蜜に感じやすいから)
アガベシロップ:米飴=7:1 ユニバーサルシロップ
(焼き菓子などにも使える汎用性の高い配合)
といったように、甘味料のブレンドで特に配合がよかった組み合わせを
用途別に「ネーミング」をつけて、
甘味料のレシピとするのです。
甘味料のレシピがレシピの中に組み込まれることによって
そのお店のレシピというアイデンティティーをレシピの中に
入れることが可能になること。
お菓子作りの世界を広げる意味においては
たとえば、生徒さんが「アガベシロップと米飴」の組み合わせは
個人的にあまり好みでなかった場合
レシピの甘味料の部分を自分のブレンドに置き換えることで
自分好みの味に変えることができます。
(*甘味料ごと、粘性などが違うのですべてが
100%置き換えられるわけではありませんが)
グレイスフルスイーツはそれを可能にするために
多くのレシピを「液体甘味料」でレシピを構築します。
甘味料を自由に組み合わせて新しいレシピを作っていく.
例えば、8種類の原材料とその量の組み合わせだけでも
配合の比率まで考慮すれば
天文学的な数字になるのですね。ということは、
その中で新しいお菓子ができたり、お菓子が進化したりする
可能性があるということです。
甘味料をそれ単体で使うのもいいですが、
甘味料を組み合わせていくことで
お菓子にコクを持たせることができます。
この世界にある植物性菓子だけじゃなく
和菓子も洋菓子もそういう意味では
もっともっとユニークでまだ人類が食べたことのない
お菓子の創造の可能性は、甘味料のレシピだけでも
無限に考えることはできるのではないかと思います。