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【Green Ponta MAGAZINE③】廃棄をしない「ファッション」がこれからの主流になるかもしれない

※「GreenPontaMAGAZINE」からの再掲記事です。

大学卒業後、長く服飾の世界に携わってきた山田 邦雅さん。2021年には、かつて自身がデザインを手がけていたシャツブランド「トロポポーズ」を再スタートさせました。再開にあたって考えていたのは、「なるべく環境に負担をかけないこと」だそう。今回はそんな山田さんに、ファッションから考える身近なSDGsについてお話を伺いました。

「全部バラバラ」がウリになる!?

シャツブランドのデザインを担当されているそうですね。お仕事の中で、環境に対して心がけていることはありますか?

私が携わっている「トロポポーズ」では、倉庫に眠っていたデッドストックの生地や、作り過ぎなどで廃棄されるはずだった資材を有効に活用しています。実はファッション業界では、シーズンごとに多くの生地や服が廃棄処分されています。ですが、それらはまだ使えるものですし、もともと一流のテーラーや百貨店で扱われていたものもあり、品質も優れているのです。

そういう生地の中からいいものを厳選して、シャツに取り入れるのですね。

はい。すぐれた生地を再び表舞台に出せるのは作り手にとっても嬉しいことですし、普通より安価に仕入れられるのでお客様にとってもメリットがあります。「トロポポーズ」は1枚のシャツにさまざまな生地を使っているので、パッチワークのパーツや、衿や袖、カフスなどの小さなスペースに残り布を使うこともあります。

服全体に使うには足りなくても、パーツなら生かせますね。

そうなのです。今後は、商品1点ごとに使っている生地が異なるなど、残り布をデザインとして生かす方法も考えていきたいと思います。「同じ商品で個体差がある」というのは大手企業では難しいかもしれませんが、私たちのようなスモールビジネスなら、個体差を個性として生かせます。

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個人的に心がけているエコな活動はありますか?

自分が着る服を選ぶときは、無意識に気を付けているかもしれません。吸水速乾や蓄熱といった機能を追い求めるとポリエステルやポリウレタン混などの化学繊維になるのですが、からだにとってはコットンの方が心地いいですよね。なので、なるべく綿をはじめとする天然素材の服を選ぶようにしています。

「自然にやさしい商品を選ぶ」というのは、Green Ponta Actionにもありますね。ですが、綿だと長持ちしないのではないでしょうか?

確かに、化学繊維に比べると長持ちしないですが、穴が空いても補修して着ていますね。ほら、これも10年前から着ているから袖口がボロボロで……。長く愛用すると愛着も増しますよ。ボタンは貝ボタンに付け替えるなど、自分なりに楽しんでいます。長く着ることが一番エコですからね!

今日のマスクも布マスクですね。

去年、世の中から使い捨てマスクがなくなった時に、養護学校や保育園の方たちが困っていましたよね?それで、会社でたくさん作って、当時必要としていた場所に配りました。これも全部残り布で作っています。表は残り布で、裏はポケットの袋地に使われているスレキなので、1枚ずつ全部デザインが違います(笑)

何度も洗えるので、ゴミも出ませんね。他に、Green Ponta Actionの「宣言する」という項目の中で、やっていることはありますか?

食べ物は常備菜を作って余らないようにしているし、マイバッグやマイボトルも持っているし、どの項目も自然にやっているかもしれません。あと昨年からは自転車通勤も始めました。「今は新緑がきれいだからこの道にしよう」などと季節によってルートを変えたり、今まで気づかなかった景色にも出会えてすごくいいですね。帰りにちょっと離れた店に立ち寄ることもできますし、フレキシブルに動けるので気に入っています。

インタビューを受けて

特別エコを意識した生活をしていたわけではなかったのですが、普段の行動がGreen Ponta Actionにつながっていることに気づきました。「トロポポーズ」でも、デザイン性を損なわずに環境に対してもっとアクションできることがないか、考えていきたいと思います。

山田 邦雅さん
シャツブランド「トロポポーズ」 服飾デザイナー
HP:https://tropopause.net/

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