想像以上にほぼ手作業
2000年に蔵に戻って、最初に感じたこと。
「え~?こんなことも機械じゃないの?手でやるの?(心の声)」
その中で最たるものが麹の種切り作業。
当時のおやっつぁん(先代の杜氏さん)に言われたのは
「米がひとつぶひとつぶになるようにほぐして、薄く広げて」
「はいっ!」
黙々と広げる作業に集中して、ふと向かいで作業するおやっつぁんの方を見る。
「やばい。私の半分の薄さだ。やり無し~」
真冬でも30℃以上ある麹室での作業は1時間以上。キツイ。
汗だくで外に出るとそこは室温5℃。一瞬で体が冷えて体力を奪う。
それでもこの作業が酒の味を決めると言っても過言ではない重要な作業。
私にとっては麹と1対1で向き合うことができる大切な時間。
特等雄町2.2の麹はサバケがおどろくほど良い。また、芯までしっかり蒸せているので麹のハゼ込みも良い。素直な麹ができた。
特上雄町プロジェクトのお酒は菩提酛純米大吟醸に決めた。
一定期間熟成させて、雄町の味わいを乗せてから出荷する。
「特等雄町2.2」という名のお酒となりリリースの時を待つ。