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【備忘録#2】ベンチャーで1年4ヶ月働いてみて[就活編]

偏った美徳

「大手に就職する人は皆優秀」「名の知れた企業に入ることが正義」

誰もが一度は通る思想ではないでしょうか。
就職活動がスタートした当時、僕はこの思想に取り憑かれていました。

それもそのはず。僕の両親は所謂『比較至上主義』の人間だったからです。
※その背景には両親の過去の苦労があったからなのですが。

周りと比較して自分の息子が秀でていないと気が済まない、よく言えば親バカですが、当時の自分は、

養育者としての承認欲求を満たすための道具

として扱われていたような気がします。

「あいつに足の速さで負けるな」
「あいつにゲームで負けるな」
「あいつに勉強で負けるな」
「常に人の上に立ち続けろ」
「全てにおいて一番であり続けろ」

よくある教育のように聞こえますが、今考えればうちの家庭は特に顕著だったと思います。

両親の知り合いの子供に何かしらで負けた時は、
それがなんであろうと意味もなく怒られ続けたことがよくあったなと思います。

「あいつに勝たないと意味がない」「あいつに勝たないと両親から承認されない」「あいつに勝たないと両親に申し訳ない」

本来自分自身を高めるための勉強も、スポーツも、習い事も全て他人に勝つため、親から褒められるための手段となっていたわけです。

特に母からは

「何事においても他人よりも優れていることこそが人生の最大価値である」

男三兄弟の長男だったこともあって、僕はそういった偏った母なりの美徳を強く教えられ続け、育てられました。

今回、詳しい大学生活の詳細は割愛しますが、そんな思想が刷り込まれていた僕は大学入学時から、

「社会人として優秀な人材になる、他人と比較して圧倒的に優れる人材になるために大学生活は存在している」

そう考え、大学生活4年間をほぼ自己投資に費やしました。

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就職活動のスタート、価値観の形成

そして大学2年の冬、『有名企業に入ることが自分にとってのステータスであり、比較至上主義を実現するためのキーファクターである』
と考え、
周りの学生より早めに就活をスタートし、差を付けようと考えました。

そんな時にふと面白い話が舞い込んできました。アメリカへのインターンです。
当時の自分からすればまたとないチャンスでした。
このチャンスというのは
「自分自身の成長に繋がるチャンス」ではなく

「他人と比較してマウントを取れる経験になる」

というニュアンスのチャンスです。

幸か不幸か、少し英語が喋れたこともあってなんなく海外インターンシップを乗り切りました。

この成功体験(?)が結果、周りからの賞賛に繋がり次第に
『如何なる事でも他人にマウントを取ること』
が快感になっていきました。

こうして、自分の中で
『比較至上主義』が正当なものである
という価値観が形成されていったわけです。

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