見出し画像

記憶に残る旅

たぶん人生で初めて、年末年始に旅行をした。
子どもの頃に家族旅行をした経験は、ほとんどない。「たぶん」とか「ほとんど」という曖昧な表現になってしまうのは、本当に記憶が曖昧だからだ。

わたしにとっての家族=夫、という考え方になってからふたりでいろんなところへ行ったけれど、そのとき暮らしている地域の周辺か夫の地元以外の場所で年末年始を過ごしたことは、これまでなかった。

北海道民にとって函館は修学旅行の定番地のひとつで、わたしは中学の修学旅行と、十数年前にライブ(GLAYではない)を観るために訪れている。
「道南」というワードが持つどこかあたたかくゆるやかなイメージ、近隣地域は農業が盛んで函館は海のものが豊かなイメージ、夜景が綺麗で、市電が走っていて、和と洋が織り交ぜられていて、住みたい町ランキング上位の、どこか洗練されたイメージ。わたしにとって函館は、そんな漠然としたよいイメージのある街だ。

当然のことながらわたしだけがそんなイメージを抱いているわけもなく、現地に着くと、年末年始にあわせて帰省してきた人たちに加え、函館を満喫しようとやってきた旅行者の姿も目立った。

特に海外からの人が多く、北斗が函館駅に着いた直後の駅構内はカオス、市電はぎゅうぎゅう(観光の拠点となる駅を過ぎると一気に空いて市電ならではの風情を味わえる)、飲食店はどこも混雑(ラッピは待ち時間が長すぎて諦めた)、というフルコンボを喰らった。
せっかくなら函館山からの景色もと思っていたものの、やはり人が密集していそうだったのでこちらも断念。

少々めげながらも、余白を探してふらりふらりと歩きまわる(+1日だけレンタカーを利用)、ある意味とても記憶に残る旅になった。


普段テレビのない生活を送っているのだけど、テレビのあるホテルで過ごしたことで久しぶりに紅白を見た。「ばらばら」をリアルタイムで聴けてよかったと心から思ったし、日付が変わった後の時間帯に放送されていたあちこちオードリーもとてもよくて、今のタイミングでこの言葉に出会えてよかったと感じながら新年を迎えることができた。
「流れに逆らわず、でも、流されるのではなく、流れるように」ということをわたしはいつも大切にしているのだけど、やっぱり、それでいいのだと思う。おみくじにも同じようなことが書かれていたっけ。


そして何より、年末年始に働く人たちに感謝したい気持ちでいっぱいになる旅だった。いつか自分で店を持つようなことがあれば、年末年始は営業して誰かをそっと迎え入れ、そのあと世間が動き始めて日常が戻った頃にひっそり休んで街の普段の様子が見られる旅をしたい、などと妄想している。

#note書き初め
#撮り初め
#旅の写真

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集